一方、「3つの寛容な主要ライセンス(Apache、BSD、MIT)が、(中略)合わせて42%で採用されている。これらは実際、現在最も広く普及しているライセンスのうち3つを占めている」という。これらの寛容なライセンスはGPLに取って代わってきた。特に増えている2つのライセンスであるApacheとMITが27%増えた一方、LinuxのライセンスであるGPLv2は24%減少した。

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もっとも、より寛容なライセンスに向かうこの傾向は、若いプログラマーがソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのクラウドサービスのための手段としてコードを捉えるようになったことだけが原因ではない。Red MonkのアナリストであるDonnie Berkholz氏による2012年の調査では、この傾向は2004年から始まっていたとされている。
Berkholz氏は、オープンソースのコード調査プロジェクト「Ohlol」(現「Open Hub」)からのデータを使って、「2010年以降、この傾向は、新しいオープンソースプロジェクトではコピーレフト(GPL)よりも、寛容なライセンスの方が多く採用されるまでになっている」ことに気付いた。
これが賢明なことなのかは分からない。しかし、現在は2014年であり、1988年ではない。今、多くのプログラムの機能は、ユーザーが持つコンピュータ上のプログラムではなくサービスとして提供されている。筆者に分かるのは、自分が作成したコードが今後どのように使われるかが気になるなら、やはり何らかのライセンスを適用する必要があるということだ。
確かに、ライセンスがなくても、自分のコードは著作権法の適用対象になる。その場合、法的な観点から言えば、何人たりとも作品を複製、配布したり、自分の作品から派生した作品を作ったりすることはできない。それは、あなたの求めていることかもしれないし、そうではないかもしれない。いずれにせよ、それは理論に過ぎない。実際には、自分の権利を守るのは難しいだろう。
GitHubなどの「公の」サイトで自分のコードを「公開」することは、自分の権利の一部を放棄することを意味する、ということも気に留めておく必要がある。どの権利を放棄することになるのかは、そのサイトのサービス利用規約によって異なる。例えば、GitHubでは、自分のプロジェクトリポジトリを公開すると(おそらくほとんどの人がそうするだろう。そうしないのなら、そもそもGitHubを利用する意味がない)、他者があなたのリポジトリを閲覧し、フォークすることを承諾したことになる。「フォーク」という単語にお気づきだろうか。自分の著作権を守るのは大変な作業になるだろう。
真面目な話、自分のコードをどうしたいのかを考えるのは、コードを世界に向けて公開する前でもいいし、問題が発生した後でもいい。筆者は、自分のコードをどうしたいのかを最初に考える方が賢明だと思う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。