“第3のプラットフォーム”はビジネス基盤に進化する--2015年10大予測 - (page 3)

山田竜司 (編集部)

2014-12-20 07:30

デジタルマーケティングの展開が加速する

 最近のマーケティング戦略では、個別の事業部門での顧客情報管理(CRM)の利用から全社での活動へと範囲を拡大し、2015年頃から顧客に関わるデータの一元管理や、ナーチャリング製品の本格的な展開が始まるとIDCでは予測する。

 特にモバイルデバイスを経由、利用したデジタルマーケティングが将来の主流になるとみる企業がBtoB、BtoCを問わず自動化されたデジタルマーケティングに参入すると考えられる。この際、導入期間が短く、運用しやすいSaaS型が好まれるとIDCでは予測している。

 こうした背景から小売業や製造業、飲食業などで、社内で得られる顧客データと社外のソーシャルデータやモバイルデバイスからの出力データなどを活用したマーケティングオートメーションへの投資が2015年から活発化するとIDCでは予測する。

 これにより事業部門からの要求と全社で顧客体験を最適化するためにデータ統合や管理が重要となり、ベンダーとシステムインテグレーター(SIer)に加え業務に精通した広告代理店などの役割が拡大するとした。2015年には市場形成期を迎えるという

 「ビッグデータの活用について経営者に聞くと、すでに実施済みと答えるケースが多いが、実担当者レベルではまだ7.2%程度という調査結果もある。実務者の体制や考えを変えるには強力なリーダーシップやトップダウンの強制力が必要」(中村氏)

ITインフラサプライヤーの自己変革

 第3のプラットフォームの成長は、2015年にベンダーにも変革をもたらすという。その背景として“ハイパーコンバージドシステム”市場を挙げている。

 ハイパーコンバージドシステムは、すでに市場に流通している垂直統合システム製品に必要とされるソフトウェアを搭載、あるいはアプライアンスという形態で提供される。ハイパーコンバージドシステム市場は、2015年に589億円、2013~2018年のCAGRは30.9%と予測する。ストレージやサーバ、ネットワークといった製品ごとに展開されてきたビジネスモデルの見直しが求められるという。

 ITベンダーへの変革としては、ネットワークやストレージだけではなく、システム基盤全体をソフトウェアで制御する“Software-Defined Infrastructure(SDI)”の普及が本格化すると説明する。2014年の時点では、この市場は新興ベンダーがけん引してきたが、2015年は既存の大手ベンダーもハイパーコンバージドシステム市場への参入を自社開発、提携、OEM活用などの各面から検討し、参入するか否かの決断が求められるとしている。

 「SDIが活性化すると、クラウド事業者向けの施策が重要になる」(中村氏)

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