--OpenStackや仮想化などのトレンドをキャッチアップしている。
オープンソースに関してはもともと積極的に使っていく文化があります。いいものは広がりますし、逆にダメなものを無理やり広げるとあまりいいことがないということです。スタジオローカルな話でいえば、「よくできた」というプロダクトのフレームワークやデザインは横に広がっていきます。インフラは昔から共通でやっていて、規模が大きくなったこともありますが、ウェブはすごくサーバリソースを消費します。
クラウドやIaaSといったインフラのレイヤはスタンダードに成り得ると思うし、仮想化の技術もある中で、「われわれはこのままでいいのか」という危機感を常に感じています。このへんはチャレンジが難しく、ある種イノベーションのジレンマの話に近いものもありますが、仮想化技術はサービスが小さい方がメリットが多いと思います。逆に規模が大きくて伸びているところでは、インフラのマネージメントの面ではメリットがあってもコストの観点ではそこまで需要はないという見解です。
個別サイトであれば、新しいプロダクトを作るときに内製のインフラを使わなければならない理由は厳密にはありません。セキュリティの要件などの視点では、完全独立は怖いというのはもちろんあります。ただ、スタートラインとして、どういうサービスを提供するインフラであるかを考えたときに、単純に仮想化のテクノロジは必要ということで、3~4年前から調査を始めていました、それはトップダウンというよりインフラとして安定してサービス提供するためです。結果的に必要なことだったと思います。
--現在CTOが推進している「Refactoring GREE」とは。
Refactoringとは、プログラムの内容を変えることなくソースコードを変更するというエンジニア用語であり、Refactoring GREEはグリーの10周年を期に社内を改革しようという試みです。具体的にはワークフローの制度改革や、ミッションやビジョン、バリューの見直しなどです。
グリーはおかげさまで10周年を迎えました。会社としては大事なことですし、感謝したい方々もたくさんいます。一方、喜ばしいことだけではないと考えています。10年も経つと、なあなあになってしまっていることが出てくるからです。そこで一度会社のポリシーや方向を示すことが必要だと考えました。
特に従業員に、グリーという会社のアイデンティティを明確にメッセージしてこなかったこともあり、グリーらしさとは何かを意識してメッセージを出しています。従業員それぞれが思っているところはあると思いますが、それがそろっていないことに少しもったいなさを感じているのも事実です。グリーは本来、モノ作りの会社です。それを、プライドを持って言えるようになれば楽しいし強いと思います。
そこで啓発サイトのようなものを作り、全社員から「問題は何か」という意見を集めました。それに対してすべてに回答し、実際に動き始めているものもあります。例えば、役員と現場の乖離という問題に対し、役員と社員をアサインして一緒に行動するプロジェクトを実施したり、オフィスの部屋をいじったりしています。相当に時間のかかることですが、始めないと一生できません。来年も継続して取り組んでいきます。
藤本氏が直接意見に回答、進捗具合をチェックする