IT企業の年頭所感

IoT、セキュリティ、グローバル展開--年頭所感に見る2015年の企業IT - (page 5)

山田竜司 (編集部)

2015-01-07 07:00

日本ユニシス 代表取締役社長 黒川茂氏


日本ユニシス 代表取締役社長 黒川茂氏

 日本ユニシスグループは、現在の中期経営計画(2012~2014)のもとで、従来からの3つの強みである「さまざまな業界の顧客とのパートナーシップ」「完遂するシステム実装力」「ベンダーフリーでワンストップのサポート力」を強化してきました。

 2014年は、既存事業領域である「コアビジネス」では、地銀勘定系システム「BankVisionR」の8行目の稼働開始や大手信用金庫の基幹系システムの受注、3月に発足した新生ユニアデックスがクラウドファースト時代のサービス体系を拡充するなど、基幹系の大型システムからクラウドサービスまでを提供し、高い顧客満足度を得ています。

 また新規事業領域である「共創ビジネス」や「社会基盤ビジネス」では、医療や介護、保育やエネルギーなど今後の社会に欠かせない分野のサービスや、マーケティング技術に基づくCLO(Card Linked Offer)などの新サービスを、さまざまな業種のお客さまや大日本印刷(DNP)などのパートナー企業と連携して展開しています。こうした新たなビジネスへの挑戦を通じて、第4の強み「新しいサービスをデザインし実現する力」が育っています。

 2014年12月1日に、2020年に向けたビジョンと2015 年度から3カ年の重点戦略を示す日本ユニシスグループ中期経営計画「Innovative Challenge Plan」を発表、今後3年で高収益体質への変革を遂げ、次なる拡大、成長を目指します。

トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏


トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏

 ビジネスや社会の真のデジタル化が加速することは、情報セキュリティリスクも加速度的に上がっていくことを意味します。企業が保有するビッグデータの価値は高まり続けるため、それを狙ったサイバー犯罪は増えてくるでしょう。モノのインターネットやモバイル、クラウドのテクノロジを使った、今までにないサイバー攻撃手法が登場することも考えられます。

 これまで同様「クラウドと仮想化」「サイバー攻撃」「コンシューマライゼーション」の3分野における包括的で確実性の高いセキュリティ対策の提供はもちろんのこと、セキュリティ対策を新たな次元に引き上げるセキュリティの可視化ソリューションなども新たに提供する計画です。

 トレンドマイクロのビジョンは「デジタル情報を安全に交換できる世界の実現」です。これを実現するために、セキュリティの専門家「スレット ディフェンス エキスパート」として、最先端のセキュリティ技術を開発し、顧客の環境を守る最適なソリューションを継続して提供してまいります。

伊藤忠テクノソリューションズ 代表取締役社長 菊地哲氏


伊藤忠テクノソリューションズ 代表取締役社長 菊地哲氏

 2014年、CTCグループは、最新の技術にも会社の在り方にもエッジを効かせて深く切り込む年として、クラウドやセキュリティを含めたサービスビジネスの強化に取り組むとともに、朝型勤務の推奨を中心に働き方の変革を推し進めてきました。2015 年は、先行投資を行いつつ、新たな領域・分野の案件にも挑戦し、既存の枠組みを超える年にしていきます。

 停滞気味の世界経済を米国がけん引する構図は今年もさほど変わりはないでしょう。国内のIT業界を見ると、政府主導のプロジェクトに加え、民間でも大型の案件が増加しています。一方で、次々と生み出されるアプリケーションやコンセプト、クラウド化やオープン化の流れなど、グローバルレベルでの変化のサイクルは加速しています。

 クラウドについては、アプリケーションレベルの仮想化技術や基幹システムでの使用に耐えうる信頼性を追究し、インフラ、アプリケーション、業務の垣根を超えてエンジニアが活躍できる仕組みとして「クラウドイノベーションセンター」を設立します。急成長を遂げる IoT(Internet of Things)分野では、顧客が、あらゆるものがネットワークでつながった世界に対応し、CTCグループと一緒にビジネスを拡大できるシステムを準備中です。

 地域という観点では、2014年から開始したグローバルなシステム運用・監視サービスの拡充を含めて、海外ビジネスを成長させることに加え、世界に先駆けて超高齢化社会に突入した日本では、地方の活性化の一助となるべく、地域に根ざした ITの提供を図っていきます。

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