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実践ビッグデータ

機械学習の意味と役割--データの持っている価値を引き出す

小副川 健(富士通)

2015-01-08 07:00

 今回はビッグデータ活用において重要な役割を持つ「機械学習」を取り上げる。

 機械学習とは大まかにいうと、データが持つ法則を見つけ出すアルゴリズムの総称である。その名の通り、経験をもとに知識を得る人間の学習過程に近い面がある。機械学習はすでに予測や分類、画像認識、商品のレコメンドなどに実際に使われている。筆者の携わってきた分析案件も、最終的に機械学習の問題に落とし込んだものが多い。

 本稿では、機械学習が大量のデータを扱う手段であり、データの持つ価値を引き出す手段であることを最近10年の将棋の人工知能の発展を例に述べ、機械学習のビジネスにおける応用のポイントと注意点を述べる。機械学習の具体的な手法、その数理までは踏み込まず、機械学習の持つ機能を抽象的にとらえそれを応用するポイントに絞って述べたい。

 機械学習によってデータの持つ価値を大きく引き出した例として、将棋の人工知能の飛躍的発展を紹介する。


 本稿執筆時点では、将棋の人工知能はプロ棋士に勝つこともあるほどのレベルになっているが、10年前はアマチュア有段者レベルと言われていた。10年間でハードウェアの性能も上がってはいるが、この飛躍的な発展は機械学習を本格的に導入したソフトウェア的な進化の影響が大きい。

 将棋の人工知能はそもそも、見込みのない手を省きながら、数手から数十手先を読み、優位に立つための最善手を探すものである。そのためには局面が有利なのか不利なのかを判定することが必要だ。将棋でありうる局面の数はおよそ10の220乗と言われており、全局面を網羅し、各局面の有利不利をリスト化するのは不可能である。実際、一部の定石と呼ばれる盤面を除くとそのようなリストは使われておらず、代わりに盤面の状況をデータ化し、優位性の数値を計算する「評価関数」と呼ばれる関数を持っている。

 評価関数は、例えば盤面の状況を表す「変数」(各駒の枚数や位置関係など)の重み付きの和のような数式を想像してもらえればよい。この重みのことを「パラメータ」と呼び、盤面の状況を表す変数一つひとつと対応すると考えていただきたい。深読みのアルゴリズムやハードウェアの性能を除くと、盤面からどのような変数を抽出するかの選択とパラメータの調整が人工知能の強さを左右する。

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