レッドハット 代表取締役社長 廣川 裕司氏
レッドハット 代表取締役社長 廣川 裕司氏
いまやオープンソースソフトウェア(OSS)がクラウド、モバイル、そしてビッグデータの中核技術として、IT革新をリードする時代となったことは間違いありません。国内の大手エンタープライズ顧客のミッションクリティカルなシステムにおいても、OSSを活用したITモダナイゼーションがさらに進み、運輸、電力、ガスといった社会インフラを支える企業にも広がりを見せています。
また、海外向けのオーダーマネジメントシステムや、海外子会社、提携企業との連携を図る標準ミドルウェアとしてのOSSの採用も広がりを見せています。通信やサービス業界では、リアルタイムでのマーケティングでの応用も見られ、さらに、Internet of Things(IoT)やmachine to machine(M2M)を駆使したビッグデータ解析のソリューションとしてデータ仮想化、高速化やビジネルプロセスやルールのソリューションが大手製造業や流通業で採用されました。
国内でも先進的な企業においてIaaSの基盤である「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」や「Red Hat CloudForms」の採用が始まり、サービスプロバイダのクラウド基盤やネット専業企業のプライベートクラウドなどでの本格活用が進みました。PasSの基盤である「OpenShift」は、グローバル企業での採用が進み、日本での導入や検証が始まっています。このように、OSSが企業の目指すITイノベーションに、大きな力を発揮することを証明した年となりました。
2015年はOSSがさらに普及し、企業のITイノベーションを一層加速させると考えています。その中でレッドハットは、「クラウド&モバイル」、「ビッグデータ&IoT」、「ITモダナイゼーション」の3つの領域にさらにフォーカスして参ります。
カスペルスキー代表取締役社長 川合林太郎氏
カスペルスキー代表取締役社長 川合林太郎氏
2014年は、なりすましや偽サイト、フィッシングといった個人を標的にした攻撃が深刻化すると同時に、国の重要インフラや基幹ビジネスをターゲットにした標的型攻撃も目立ちました。また、APT攻撃「Icefog」「Darkhotel」のように、日本も他人事とは言っていられないようなサイバー攻撃も顕在化しました。モノのインターネット(IoT)が進む中では、家電やオフィス機器など、これまでセキュリティという概念が希薄だった機器が攻撃や侵入の対象となったのも記憶に新しいことでしょう。従来からのターゲットである、PCやモバイル向けのマルウェアも増加の一途をたどりました。
しかし、新たな攻撃手法や脅威とは無縁な、過去の焼き直しにすぎない攻撃による被害も非常に多く、適切な対策を講じていれば防御できた、あるいは被害を最小限に抑制できていたはずのケースが多かったのも事実です。
2015年は、オレオレ詐欺に代表されるリアルな犯罪側の攻撃者がオンラインバンキングを狙うといった、リアルとサイバーの犯罪の境界線が薄れ、攻撃の数が増大すると思われます。カスペルスキーではインターポールおよび国内の法執行機関への支援と連携の強化によって、攻撃者の活動を抑制すると同時に、CSR活動を通じたネットリテラシーの向上に努め、免疫力の高い社会づくりに貢献してまいります。