IT企業の年頭所感

イノベーションを起こせるか--年頭所感に見る2015年の企業IT~その2 - (page 3)

山田竜司 (編集部)

2015-01-09 07:00

日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏


日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏

 2014年は、ビッグデータ活用が本格的な普及期に入ったと言われました。IoT、M2Mの加速によるモバイル、クラウド、ビッグデータ時代では、今まで以上にビジネス部門主導によるデータ活用の必要性が増してきています。2015年は、IT部門だけでなくビジネス部門が自らデータを分析することで、成功にいち早くたどりつくための失敗を繰り返し、その結果を営業やマーケティング、また経営戦略そのものに活用する「Data Driven(データ主導型)ビジネス」を推進していくことが重要です。

 欧米と比較して、日本にはビッグデータを積極的に活用するアーリーアダプター層が少ないと言われていますが、部門ごとにデータを管理するカルチャーが背景にあり、企業ごとの差でもあると考えています。ビッグデータからだけでは思いもよらない特別な何かを見出せる訳ではないため、まずは購入履歴や在庫などの従来型の構造化されたデータと、SNS、ウェブログ、画像、センサなどの新しいデータ(非構造化データ)を組み合わせて分析し、短期間で数多くの試行、検証を行い、失敗に至るような仮説を早期に選り分け、重要な洞察(インサイト)を早く見つけ出すことが、ビッグデータ分析から価値を生み出すプロセスです。

シスコシステムズ 社長 Irving Tan氏


シスコシステムズ 社長 Irving Tan氏

 シスコでは、これまで結びつきのなかった「人」「モノ」「データ」「プロセス」のすべてをインターネットでつなぎ、誰もが体験したことのない新しい価値を創造するビジョン「Internet of Everything(IoE)」を提唱しています。われわれは、2014年、IoE分野で日本初となる資本出資をはじめとしてエコパートナーを拡大し、またシスコで世界で7拠点目となるパートナー企業が新たな製品やサービスの可能性を追求していくための設備を備えた「Internet of Everything Innovation Center Tokyo」を開設するなど、IoEの実現に向けた基盤を整えました。2015年は、このような取り組みを更さらに加速し、IoEの本格展開を通じて、社会や産業のイノベーションに貢献してまいります。

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