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デジタルバリューシフト

ワークスタイル変革の本当の進め方 - (page 4)

林大介

2015-01-20 07:00

(3)変革実行フェーズ

 リサーチが終わればいよいよ変革実行の時である。まず、全体計画の検討範囲の絞り込み(スコーピング)を行う。枠組みを決めると言い換えても良い。ワークスタイル変革というテーマは実は抽象的で、放っておくと際限なくテーマが広がってしまい、何から着手していけば良いかぼやけてしまうことがある。

 特に、ビジネスプロセス リエンジニアリング(BPR)など業務プロセスの改革を含めるかについてはこの段階できっちり決めておいた方が良いだろう。多くの場合、業務改革プロセスについては検討範囲から外した方がプロジェクトの輪郭ははっきりしやすい。なぜならば、業務プロセスは事業の収益性との関連が強く、従業員の負担を軽減する話から遠ざかる傾向にあるからだ。どうしても含めざるを得ない場合は、システム導入など大がかりにならないレベルの範囲に留めた方が無難である。

 枠組みが決まれば、具体的に変革に着手できるようになる。リサーチフェーズで整理した情報を元にさまざまな施策を評価検討し、優先順位を定めて順次実行する。この時、優先すべきは「実現難易度が低く」「効果が高い」施策である。ワークスタイル変革は比較的小さい改善の積み重ねになるため、すぐには効果を実感してもらいにくい。

 早い段階で従業員を味方に付けて、変革を実行しやすくするためには分かりやすい成果をすぐに示す必要があるのだ。また、変革の順番をロードマップ化して社内に公表しておくのも効果的だろう。

(4)リプランニングフェーズ

 変革をある程度進めた段階で、一度俯瞰的な視点で全体計画を見直す必要がある。特に変革のビジョン(なりたい姿)は、世の中の技術トレンドや情勢の変化によって大きく変わることが予想されるが、必要であれば怖れずに思い切って変えてしまおう。KPIについても効果測定に不適切と判断すれば変更して構わない。長期間の変革を通じて唯一変えてはならないのは変革のコンセプトのみである。

 また、変革を進めていく上で当初は予測していなかった事柄が新たに判明したり、変革によって新たな問題が生じたりすることもあるだろう。このフェーズではこれらの追加、不足部分に関して新たに従業員から変革ピースを集める必要がある。新しく得た情報についても同様に整理して変革アクションにつなげていくわけだ。

(5)エンディングフェーズ

 上記のフェーズを繰り返してワークスタイルを少しずつ変革し、最終形を目指す。ワークスタイル変革そのものは終わりのないテーマであるが、当初定めたコンセプトに基づくワークスタイル変革の成果は2年以内に出すことが望ましい。なぜならば2年以上かけてしまうとテクノロジの進化についていけないからだ。

 せっかく苦労してシステムを導入しても既に時代遅れ、という事態は避けなければならない。そして、首尾良く一定の完成度に到達した時に実現できているワークスタイルこそが、目指すべきビジョン(なりたい姿)だったと言える。すなわち、ワークスタイル変革ビジョンとは最後に現れて後付けされるもので構わないのだ。

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