自動運転車のメリットと課題
メリット:安全性の向上、渋滞の減少など
自動運転車の普及により、交通事故の削減による安全性向上や渋滞の減少などの効果が期待されている。
米国のシンクタンクのレポートでは、自動運転車が10%まで普及すると、事故と負傷者を50%減らすことができ、90%まで普及すると、交通事故や路上での死傷者が90%削減し、米経済に毎年4500億ドルもの経済的コスト削減が実現できるというリポートを出している。
Googleによると、これまでテスト走行を実施している中で、1回目はドライバーによる運転、2回目は赤信号で停止中に後続車による追突事故の2回だけと、安全性をアピールしている。
自動運転により、交通の流れがスムーズになり、渋滞も緩和されると考えられている。加えて、飲酒運転や疲労などによる居眠り運転、人的ミス、スピード違反などの減少も期待される。高齢者や無免許、病院などの緊急支援サービスが必要な場合でも、自動運転車が必要な時にタクシーのように利用できるようになれば、利用者の裾野は拡がっていく可能性がある。
日本では高齢化が急速に進んでおり、交通事故者の50%が65歳以上という状況で今後、高齢者の運転者が増えることになれば、さらに交通事故件数が増えることが懸念される。高齢者が自主的に運転免許を返納するケースも増えており、特に公共交通機関の減少が進む地方では、高齢者の移動手段を解決する手段の1つとして自動運転車のニーズは高まっていくと予想される。
オックスフォード大学が公表した「The Future of Employment」では、職業別コンピュータ化で職を代替される確率ではタクシー運転手が89%となっているように、将来的にはタクシーが自動運転車に置き換わって行く可能性は十分に考えられる。バスのように時刻表どおりに運行するためには、むしろ自動運転のほうが適しているといえるかもしれない。
運転中や駐車の時間を自動運転車にまかせることで、電話やメール、資料作成などの仕事など、時間の有効活用ができるようになるといったメリットも考えられる。