垂直統合インフラへの投資、1年4カ月で回収--効果は投資額の1.5倍

NO BUDGET

2015-01-09 12:23

 IDC Japanは1月8日、国内企業での“インテグレーテッドシステム”(垂直統合型システム)のROI分析結果を発表した。それによるとインテグレーテッドインフラストラクチャに対する投資のROIは147.2%になるという。

 同社では、サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、ソフトウェアの組み合せをベンダーが認定した上で統合したシステムパッケージをインテグレーテッドシステムと定義。インテグレーテッドシステムを“インテグレーテッドプラットフォーム”と“インテグレーテッドインフラストラクチャ”に分類している。

 インテグレーテッドプラットフォームは、サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、システム管理ソフトウェアに加えて、他のソフトウェアを追加したり、追加したソフトウェアにシステムを最適化したりしたパッケージ。具体的には「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」「Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA」「HP AppSystem」「IBM PureApplication/PureData」「NEC Data Platform」「Oracle Exadata/Exalogic/Exalytics」「VCE vBlock for SAP HANA」を挙げている。

 インテグレーテッドインフラストラクチャは、用途を限定せずに分散型のワークロードを広くサポートできるように構成されているパッケージで、特定のワークロード向けに最適化していないことがインテグレーテッドプラットフォームとの相違点になる。具体的には「NetApp FlexPod」「EMC VSPEX」「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」「Hitachi Unified Compute Platform Pro for VMware vSphere」「HP CloudSystem/VirtualSystem」「IBM PureFlex」「NEC Cloud Platform」「VCE vBlock」を挙げている。

 調査ではインテグレーテッドシステムの投資効果について独自の投資対効果(ROI)メソドロジーで導入効果を分析し、投資対効果を定量化した。分析対象とした事例では、インテグレーテッドインフラストラクチャの100ユーザーあたりの初期投資額は125万4230円。125万4230円のうち118万4007円がシステムハードウェアに対する初期投資額で、残りの7万223円が導入サポートに対する投資額となる。

 インテグレーテッドインフラストラクチャの導入によるベネフィットは初期投資時点で105万1795円、年次で182万8876円(割引前)と試算、割引率12%を適用した3年間の100ユーザーあたりの正味利益は310万313円。結果、インテグレーテッドインフラストラクチャに対する投資のROIは147.2%で投資回収期間は15.7カ月、すなわち投資額に対し1.5倍弱の効果が得られ、1年4カ月弱で投資を回収できることを意味する。

 この試算では、システムユーザーの生産性向上、企業全体に対するベネフィットとしてアジリティ(俊敏性)によるベネフィットは考慮しておらず、実際には両ベネフィット分野で正味利益が加算されるため、さらに大きなROIと投資回収期間の短縮が期待できると考えられる。同社サーバ グループマネジャーの福冨里志氏は以下のようにコメントしている。

 「IT部門はインテグレーテッドシステムの利点を生かすために、従来型のソリューション選定と運用管理の手法を改める必要がある。具体的には、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントの標準化を図るべきである。標準化で管理と相互運用性の欠如を解消し簡素化できる」


(IDC提供)

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