一般社団法人のコード・フォー・ジャパン(Code for Japan)は1月7日、企業が自治体に職員を派遣し、地域住民とともに地域の課題解決に参画する人材育成プログラム「コーポレートフェローシップ」を発表した。この1月から受け入れ希望の自治体を募集、派遣は5月以降となる。派遣期間は3カ月、企業からCode for Japanにコーディネイト費用として1人あたり50万円を支払う 。
コーポレートフェローシップとは、企業から自治体に人材を派遣して人材を育成するためのプログラム。自治体職員として勤務することで、地域課題の解決やオープンイノベーション、公共領域の知見などを得られるという。
自治体職員としてオープンガバメントやオープンデータを推進する地域コミュニティと協働し、ITを使って地域課題に取り組むことが前提となる。アプリケーション開発やオープンデータ活用戦略、データ分析が想定されている。
プログラムに申し込むと、事前にCode for Japanが自治体からヒアリングした課題を公開し、企業から派遣希望の人材を募る。派遣できる人材は、プログラマーやデザイナー、企画、コンサルタントなどの職種などが想定され、必要なスキルを備えていることが条件となる。
提示された課題に応じて、Code for Japan側で自治体と企業の人材をマッチングする。1つの自治体につき、複数企業から2~3人が派遣され、自治体内で勤務する。派遣期間中の給与は企業側が支払う。
「三方よし」のプログラム
Code for Japan代表の関治之氏は、コーポレートフェローシップが企業、自治体、地域住民にとって“三方良し”ののプロジェクトだとアピールした。企業はリーダーシップなど人材の育成が期待でき、地域住民と自治体はプロフェッショナルな人材と協働できるからだ。
コーポレートフェローシップが生まれた背景には、テクノロジを活用した住民自治の改善の取り組みである「シビックテック」がある。
日本は人口減少の一途を辿っており、地方の産業は弱体化している。そのために、ITでの地方自治の効率化や問題解決が期待されている。Code for Japanが関わったプロジェクトではこれまでに「税金の使われ方の可視化」「雪に埋まった消火栓を探す」「保育園を位置情報付きで探す」などのアプリを開発。行政の効率化に貢献してきている。
これらのアプリはボランティアなどで構成される地域住民のコミュニティが2~3日で作成したものだが、行政が正式に事業者に発注、提供する場合は要件定義などをふくめると、何十倍もの時間がかかってしまう可能性が高い。
コーポレートフェローシップ