IIJ、SAS Institute Japan、ZEALの3社は1月14日、データ活用スキルやIT資産が不足する中堅企業向けに、クラウド上で企業の経営に必要なデータを分析、可視化する「クラウド・アナリティクス・ソリューション」を提供することで、協業すると発表した。
SASのセルフサービス型アナリティクスやBI製品、ZEALが長年手掛けてきたBIシステム構築、活用ノウハウ、IIJのクラウド基盤及び運用技術という各社の強みを連携させた。
まずは製造業向けに「需要予測」、流通/小売業向けに「ターゲット・マーケティング分析」などの機能を提供し、他業種にも順次提供範囲を拡大していく。価格は本番環境が初期費用475万円から、月額費用30万円から、最大2カ月間利用可能な実証検証(PoC)環境が150万円から(いずれも税別)。3社では、2015年度末までに50社への導入を目指す。
なお、本番環境では、SAS Visual Analyticsサーバ、HadoopサーバまたはDWHサーバ、インテグレーションおよびサポートを提供。PoC環境ではユーザーデータを用いたレポート作成、性能検証などが実施可能としている。
ソリューション概要図(IIJ提供)
協業において3社は、IIJのクラウドサービス「IIJ GIOサービス」上にSASのセルフサービス型のデータ探索製品である「SAS Visual Analytics」を組み込んだデータ分析環境と、BIシステム導入とデータ分析のコンサルティングサービスを統合した「クラウド・アナリティクス・ソリューション」を提供する。
データ分析環境は、SAS Visual Analyticsの性能を最大限に引き出すよう設計された専有型のクラウド環境に、大量データに対する分析処理を可能にする「Hadoop」や「Greenplum Database」(DWH向けデータベース製品)を併せて提供。また、収集したデータの活用にあたり、KPIの決定から効果測定まで一連のサイクルをZEALがサポートする。
これにより、データ利用を新たに始めようとする企業や、ビックデータを使ったより高度な分析、予測、統計解析に取り組もうとする企業を支援し、広く中堅企業のアナリティクス活用ニーズに応える。なお、SAS Visual Analyticsをクラウド上で提供するのは国内初で、ZEALは国内初のSAS Visual Analyticsサービスパートナーとなる。
中堅企業では、大手企業に比べ人材や基盤整備などの課題があり、ビジネス課題解決型アナリティクスの導入のハードルとなっている。わずらわしいハードウェア調達やソフトウェア選定を必要とせず、ユーザー企業のデータ解析に最適な統計手法の設計とその運用などをトータルに提供する。ユーザーは自社のデータを準備するだけで、データから得られる知見を経営に生かせるとしている。