IDC Japanは1月14日、国内ファイル/オブジェクトストレージ市場の2014年~2018年の予測を発表した。国内ファイル/オブジェクトストレージ市場の2014年の売上高を781億円、出荷容量を946Pバイトと予測している。
クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャルビジネスを含む「第3のプラットフォーム」に伴うデータの増加などがあり、非構造化データの多様化や大容量化が進んでいる。非構造化データを管理するストレージインフラとしては、これまでファイルストレージの利用が中心だったが、国内市場においてもオブジェクトストレージの導入が増加してきている。
IDCでは、これらのストレージを「ファイル/オブジェクトストレージ市場」と定義し、調査を実施している。
ファイル/オブジェクトストレージ市場は「スケールアップ」と「スケールアウト」の2つのセグメントで構成される。スケールアップには汎用OSベースのファイルサーバとスケールアップファイルストレージが含まれ、スケールアウトにはスケールアウトファイルストレージとスケールアウトオブジェクトストレージがそれぞれ含まれる。
同社では今後、スケールアップからスケールアウトへのシフトが進むとみている。
今回の調査結果によると、2018年までの予測期間中、スケールアウトソリューションが市場の成長をけん引し、国内ファイル/オブジェクトストレージ市場の2018年の出荷容量は3751Pバイトになると予測した。
(IDC提供)
同社ストレージシステムズ マーケットアナリストの宝出幸久氏は次のように分析している。
「国内ファイル/オブジェクトストレージ市場は成長の過程にあり、非構造化データの増加を背景にアーキテクチャの変革や利用用途拡大の途上にある。国内ファイル/オブジェクトストレージ市場においては、スケールアウトへのシフト、スケールアウトの適用範囲の拡大、“Software-Defined Storage”の普及、オープンソースソフトウェアの影響力の拡大、クラウドサービスプロバイダーへのストレージ支出のシフトといった要素に留意すべきである」