IDC Japanはこのほど、2014年の産業分野別IT市場の調査結果を発表した。2014年の国内IT市場は多くの産業でIT支出が伸びるが、個人消費を含めた全体では小幅の成長と予測する。
産業分野別にみると、製造は前年比2.6%増の2兆3022億円、流通は同2.0%増の1兆4595億円、サービスは同2.0%増の6176億円と堅調に推移するという。
特に、日本郵政関連の案件が本格化する運輸/運輸サービスは前年比23.3%増の6418億円、地域医療連携が広がる医療は同3.0%増の5422億円と、比較的高い成長率が見込まれるとした。
2015年は多くの産業分野で2014年の反動から低い成長率にとどまることが予測されるが、官公庁領域で「マイナンバー対応」など、比較的高い成長率を見込む。2016年以降、東京オリンピック/パラリンピックの準備のため、官公庁や公共/公益、通信/メディア、運輸/運輸サービスといった社会インフラ産業では、IT支出が拡大すると予測している。
クラウドやモバイル、ソーシャルなど“第3のプラットフォーム”市場の2013~2018年の年間平均成長率(CAGR)は4.4%増と、国内IT市場のCAGR0.8%増や、国内ICT市場CAGR0.4%減といった数値を大きく上回るという。
一方、クライアント/サーバシステムを指す第2のプラットフォーム市場のCAGRは2.9%減で縮小し、国内IT市場の質的構造変化は確実に起こっているとした。この変化は、特に大企業を中心に見られ、第3のプラットフォームへの戦略的投資は産業分野別よりも企業規模別に違いが鮮明になりつつあると説明している。
2014~2018年 国内IT市場 主要産業の前年比成長率の推移予測