続けて武藤氏は「こうした時代には、トランザクションを処理できる性能ととともに、24時間365日稼働させられる信頼性とニーズに迅速に対応できる柔軟性、そしてデータの活用能力が求められる。それに対応したのがz Systemsである。50年の歴史を持つIBMのメインフレームでは、現在でも企業データの約80%が存在しており、企業アプリの約55%がIBMメインフレームを活用している。50年間、ウイルスによる被害がゼロであり、zの名称の意味であるゼロダウンタイムを実現している。その点でもz13への進化は、顧客への貢献、社会の貢献でも意味がある」とz Systemsの優位性を強調した。
具体的な価格については言及しなかったが、「従来モデルに比べてコストパフォーマンスは改善している」と述べた。今後、中型モデルの投入も予定されているという。時期や価格は未定である。
宇田氏は、開発中の「SyNAPSE」チップにも言及した。「SyNAPSEは、次世代のメインフレームシステムにも搭載されるものであり、2014年8月に発表したチップは、100万個のニューロンと2億5600万個のシナプスから構成されている。しかも、70mwの消費電力で動作する。エコであるとともに、プログラムをせずに自ら学習するのが特徴である」とした。
胸に付けられた「z」のバッジ
例のない会見
会見は渋谷ヒカリエで行われたが、「インターネット、クラウド関連、モバイル系スタートアップ企業が集まる場所で会見を行うことで、z13が目指す世界との親和性を演出。オープンな場所で行うということで、メインフレームのオープン性についても強調できると考えた」と説明。周りから子供の泣き声などが聞こえる、あまり例のない雰囲気での会見となった。社員は「z」のロゴをあしらったバッジを胸に会見に臨むというこだわりをみせていた。