好配当利回り株として人気の大手総合商社
大手総合商社5社の株価と予想配当利回り(1月19日時点)

(各社資料より楽天証券経済研究所が作成)
大手総合商社は、資源価格急落という大きな逆風と、円安という大きな追い風を同時に受けていることになる。資源価格のピーク時に無理な資源投資をせず、こつこつと非資源事業の拡大に注力してきた三菱商事などは、資源価格急落の逆風の中でも、企業価値を高めることができているわけだ。
ただし、住友商事のように、資源価格が高かったときに、資源事業への投資を大きく拡大させた会社は、今、逆風をより強く受ける形になっている。
今後、資源権益に減損が新たに発生するリスクには注意が必要
今のところ、住友商事を除けば、資源急落の逆風をうまく乗り切っているように見える。ただし、今後、減損が必要になる資源権益が増えるリスクはまだ残っている。とりあえず、これから始まる10~12月決算で、大手総合商社各社が、資源権益の減損リスクについて、どのような説明をするかが注目される。
大手総合商社の投資の考え方
窪田氏は、資源急落をうまく乗り切って高い収益をあげていくと考えられる三菱商事の投資魅力は高いと判断しているという。
ただし、原油や銅の急落が決算にどう響くか慎重に見極める必要があるという。現時点で総合商社株に大量の投資をするのはリスクがあるが、資源安を嫌気して株価が下がっている今、三菱商事などから徐々に少しずつ買っていくのはよいと判断しているという。
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