中身のないプロジェクトではなく、業務上の利点について語る
食品業界大手のIglo Foods Groupで最高情報責任者(CIO)を務めるSarah Leslie氏によると、プロジェクトのゴーサインを得る最善の方法は、組織のトップにいる幹部らにそのイニシアティブの価値を確実に理解させることだという。同氏の言葉を借りると「調達しようとしているプロジェクトの機能に価値があることを、上位層の人々は確信しなければならない」のだ。
Leslie氏にとって業務とITが密接に関連するのは当たり前の話だ。実験のための予算が確保されている組織もあるが、Iglo Foods Groupのアプローチは無駄を削ぎ落としたものであるため、IT駆動型の変革を望む業務幹部は自らの財務リソースから新たなイニシアティブのための資金を捻出する必要がある。
ITアーキテクチャの根幹にかかわる大がかりな意思決定は明示され、理解されていなければならないと述べるLeslie氏は、「わたしはITプロジェクトの予算を握ってはいない。中身のない開発が入り込む余地はなく、ITプロジェクトは、財務のような特定の機能を支援するものでなくてはならない。当社には、個々のIT投資が組織にとって適切かどうかを判断するための運営グループがある」と語っている。
「ネットワークやインフラ、エンタープライズアーキテクチャといった大規模な実装の場合、核となるITシステムのメンテナンスと定期的な更改が必要な理由を業務部門に説明しなければならない。このためどこに難関があるのかと、新しく基盤となるITに対する投資がどのように新たな業務機会をサポートするのかを洗い出してほしい。テクノロジが今や成功に不可欠であることは全員が理解しているため、あなたのアイデアによって業務にどのような利点が長期的にもたらされるのかを説明するのだ」(Leslie氏)
プラスになるポイントを定量化するための方法を示す
現代のITリーダーはマネージャーからアドバイザー、そしてオペレーターからイノベーターに至るまでのさまざまな役割をこなせる必要がある。通信社Press Associationで情報サービスとインフラの責任者を務めるDavid Reed氏によると、CIOは定量化可能な結果をもたらすプロジェクトを見つけ出す必要があるという。