企業クラウド普及の鍵を握るOpenStackコミュニティー - (page 3)

Matt Asay (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-01-30 06:30

クラウドの成長

 Goldman Sachsのレポートにもあるように、われわれはいまだにクラウドコンピューティングの黎明期にいる。この初期の市場は開発者が統治しているため、インフラも開発者指向となっているのは驚くにあたらない。開発者はAWSによって驚くほどのリードを成し遂げた。企業内に足場を築いたという点ではこれ以外に「Microsoft Azure」くらいしかない。

 そして同じ開発者らがOpenStackコミュニティーを前進させたのだ。

 しかし、それは初期のクラウドの話であり、アーリーアダプターに受け入れられたものは長期的な採用における原動力にはなり得ない。このような理由からAWSとOpenStackはいずれも、長期的な成長計画を見つけ出す必要がある。

 実際のところ、Ted Chamberlin氏がAWSについて語った「AWSは、企業が直感的に理解できるソリューションではなくアラカルト的な機能を求めているという仮定に基づいている」という言葉は、OpenStackについても適用できる真実だ。開発者は複雑さを求めるかもしれないが、柔軟性を求めてクラウドに目を向けている企業は最終的に、できる限り複雑さを取り除いてほしいと願っている。

 欧州のITリーダーを対象とする最近の調査によると、「欧州企業の81%はクラウドを使用しておらず、その主な障壁はクラウドコンピューティングに対する知識不足である」という。OpenStackのメーリングリストを読み、仮想化を中心としたその配備モデルの複雑さを学ぶよう彼らに求めるのは、クラウドに二の足を踏んでいる企業を取り込むための策として適切ではない。

 Gartnerの分析によると、AWSはこの点について理解しているため、使い勝手の良さを求め続けつつも、積極的に企業向け機能を展開している。一方、OpenStackはクラウドの使用を難しくし続けている。OpenStackコミュニティーがこの問題を解決できるリーダーを見つけるまで、同コミュニティーの雑音で企業の声がかき消される状況が続くだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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