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原発事業を有する電力9社は投資対象としてリスクが高い - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2015-01-29 11:29

原燃料調整制度があるので原油急落メリットは最終的に電力会社には残らない

 電力会社は「原燃料費調整制度」で燃料価格変動によるコスト増減を3カ月後の電力料金に自動的に転嫁できることになっている。原油が上がれば料金を3カ月後に引き上げ、原油が急落している時は3カ月後に料金を引き下げる。

 2月の電力料金は昨年9~11月の平均燃料価格から計算する。9~11月は円安によって輸入LNGコストが上昇していたので、東京電力・中部電力・関西電力など電力6社で電力料金は引き上げになる。

 足元の燃料コストが減少しているにもかかわらず、料金が引き上げになる。これが、1~3月の電力会社の業績を引き上げる。ただし、4月以降、原油急落の影響で電力料金は徐々に下がってくると予想される。電力会社の業績は、今期(2015年3月期)は上ぶれしても、来期(2016年3月期)にはそのメリットは残らないと考えられる。

 来期には、長期契約のLNG輸入価格が下がってくることが見込まれる。長期契約のLNG価格に原油連動条項がついているからだ。LNGガス火力への依存が大きい日本の電力会社は、来期LNG価格の低下でメリットを受けることになると思われる。ただし、そのメリットも最終的には電力料金の引き下げを通じて、消費者に還元されるので電力会社には残らない。

原発事業を有する電力9社は投資対象としてリスクが高い

 原発事業を行ってきた電力9社(東京電力・関西電力・中部電力・九州電力・中国電力・四国電力・北陸電力・東北電力・北海道電力)への投資はリスクが高いと判断される。それは、核燃料サイクル事業が実行可能か否か現時点でわからないままだからだ(沖縄電力は原発を保有していない。Jパワーは原発の建設を始めているが未完成だ)。

 核燃料サイクルを実施することを前提とすると、使用済み核燃料はプルサーマル発電や高速増殖炉で新たに発電を行うための「資源」となる。しかし、核燃料サイクルを断念する場合、使用済み核燃料は最終処分に莫大なコストがかかる「核のゴミ」となる。

 今の日本は、技術的にまったく完成のメドがたっていない核燃料サイクル事業が実現することを前提に原発事業を推進している。つまり、使用済み核燃料をバランスシートでは「資源」として評価している。

 ところが、最近になって核燃料サイクルは実行不可との見方が強まってきている。もし、政府が「核燃料サイクルを実施しない」と判断を変える場合、国内に積み上がった使用済み核燃料は「資源」から「核のゴミ」に変わる。その最終処分コスト負担によって、電力会社の財務は著しく悪化する可能性がある。

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