三国大洋のスクラップブック

四半期で6兆円--売り上げでグーグルを抜いたアップルのiPhoneビジネス

三国大洋

2015-02-03 07:00

 「大きいことはいいことだ」というのは、何も昔のチョコレートだけに限った話ではないらしい。

 前回の記事で触れた、約180億ドルという史上空前の利益をたたき出したAppleの四半期(2014年10~12月期)決算のニュースはすでに目にされた方も少なくないかと思う。また「1台平均687ドルもするiPhoneが3カ月間に7450万台も売れ、iPhoneの事業だけで約512億ドル(1ドル120円換算でざっと6兆円超)の収入となった」あるいは「出荷/販売台数の合計でも、ここ数年首位を続けてきたSamsungとAppleが肩を並べた」といった話を見聞きされた方もいるかもしれない。

 商品の品揃えを絞り込み、見方によっては「顧客を選んでいる」感じもするAppleと、万人に向けてさまざま機種を用意してきたSamsung。そのふたつを比べるのは、それこそ「リンゴとオレンジを比べる」ような意味のないことと、改めてそんなふうにも感じられてしまうが、簡単にできるそうした比較が好きな人も(媒体側には)いまだに少なくないのかもしれない。

 Appleによる「大本営発表」以外の数字となると、なかなか見つけるのが難しい…などと思っていた矢先に、運良くiPhoneの機種別販売台数の内訳を記したものに行き当たった。GigaOM創業者のOm Malikが自分のブログで紹介していた大手投資銀行UBSによるレポートの数字がそれだ。

All About That iPhone 6 Plus--Om Malik

 UBSの数字はあくまで推定で、ある程度のブレ=誤差を含むもの。実際、1月初めにやはりMalikが紹介していた別のレポートでも、iPhone販売台数が約6700万台、その売り上げも約434億ドルなどと予想されていた(実際の数字は7450万台で512億ドル)。そういう素性という前提がつくが、それでもなかなか貴重なものと思える。

 まず、Apple全体の売り上げの約7割を占めたiPhoneの機種別販売台数については、「iPhone 6」が3537万台(約48%)、いわゆるファブレットの「iPhone 6 Plus」が2234万台(約30%)、そして「iPhone 5」と「iPhone 5s」についてはあわせて856万台(約12%)となっている。

 この3つの数字を合わせても100%にならない(48+30+12=90)のが玉に瑕だが、どこが間違っているかを推測する手がかりは検索してもみつからなかった。あるいは、Malikがいまだに売られているiPhone 5sと「iPhone 5c」について、後者を「iPhone 5」と勘違いした。そして、その上でiPhone 5sあるいはiPhone 5cのどちらか片方だけを採り上げて856万台(約12%)と書いた可能性なども思い浮かぶが、いずれにしてもMalikのコラムの主題がiPhone 6 Plusとあるので、これ以上の深入りは避けることにする。

  • iPhone 6 Plus:平均単価828ドル×2234万台(30%)=約185億ドル
  • iPhone 6:平均単価713ドル×3537万台(48%)=約252億ドル
  • iPhone 5s/5c:平均単価XXXドル×1679万台(22%)=約75億ドル
  • 合計:平均単価(ASP)687ドル×7450万台=約512億ドル

 このざっくりした皮算用だとXXXドルのところに446ドルといった数字が入ることになるが、はたして妥当なものかどうか……。

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