NTTデータが2月3日に発表した2014年度第3四半期(2014年4~12月)の連結決算は、売上高が対前年度比13.2%増の1兆670億5800万円、営業利益は同89%増の485億9300万円、経常利益は同59.5%増の453億4000万円、四半期純利益は同114.6%増の217億3800万円だった。通期の予想は据え置いている。
同社は情報サービス産業市場の見方として、金融機関や製造業において、これまで抑制していたシステム更改プロジェクトが始まり、グローバル展開に向けたIT投資などが増えており、緩やかに回復しているとの認識を示した。海外子会社の規模が拡大していると同時に、円安が進んだことによる為替の影響も、売上高増につながったという。
一方、保守、運用コストの削減ニーズや厳しい価格競争は今後も続くとのこと。
市場環境の変化に対応するため、新規分野や商品力の強化に取り組む。特に、ソフトウェア開発自動化ツールについて、適用可能なすべての案件で適用するとしており、専門の支援部隊を倍増させた。また、迅速なアプリケーション開発へのニーズの高まりに対応し、アジャイル開発の専門組織を設置した。
このほか、キーボードを用いずスマートグラスで文字を入力する拡張現実(Augmented Reality:AR)入力技術やウェアラブルデバイス、スマートシティなどに取り組むとしている。
各事業では、公共分野である「パブリック&フィナンシャル」で、日本のインフラを輸出する動きを加速している。ベトナム政府に続き、ミャンマー政府が、貿易手続きや通関システムを受注した。
「エンタープライズITサービス」事業では、電力自由化を前に「スイッチング支援システム」を受注。これは、家庭や企業の利用者による小売り電気事業者の契約切り替えを円滑化するもの。
「ソリューション&テクノロジ」事業では、災害に強く、事業継続性を持つデータセンターが求められていることから、「品川データセンター」を新たに開設した。これに併せて、ITインフラをワンストップで運用管理する「ITアウトソーシング・オペレーションセンター」をデータセンターの運用集約拠点として開設したとしている。
「グローバルビジネス」では、ドイツでSAPサービスパートナーに加わり、SAPビジネスにグループを挙げて取り組むとしている。
通期の予想については、価格競争の激化やコスト削減要請による厳しさを、不採算案件の抑制やリマーケティングの推進による売り上げ増とコスト削減努力で補っているため、据え置くとした。