CA Technologiesは2月3日、サービス仮想化製品の新版「CA Service Virtualizaiton 8.0.1」と継続的デリバリー製品の新版「CA Release Automation 5.5」の提供を開始した。
Service Virtualizaiton 8.0.1では、新たにAI機能や学習機能を搭載し、仮想サービスを自動的に作成、更新できるようになった。また、モバイルデバイス向けのテストケースの自動作成やモバイルアプリケーションのテスト機能を追加した。
Release Automation 5.5では、共通するミドルウェア機能をまとめ複数のアプリケーションで利用できるようにする共有コンポーネント機能を追加した。オープンソース(OSS)の「Chef」や「Puppet」などの構成管理ツールとの連携も強化した。
CA Technologies DevOps担当ディレクター 渡辺隆氏
1月30日の会見でDevOps担当ディレクターの渡辺隆氏は、新版の特徴と狙いについて「アプリケーション開発のテスト工程を仮想化、自動化することで開発期間の短縮や品質の向上を実現する。実行環境へのアプリケーションの配布を自動化することで、市場投入期間の短縮やリリース品質の向上を実現する。これら2製品で国内でこれから本番を迎えるDevOps採用を支援する」と説明した。
CAが現在、注力している領域は、マネジメントクラウド、DevOps、セキュリティの3つ。このうち、DevOpsでは、サービス仮想化と継続的デリバリーを軸に結合テストや性能テスト、負荷テスト、デリバリーを対象とした製品を提供。作業の自動化と効率化で開発と運用をつなぐDevOpsを促進する構えだ。
事例としては、すでにNikeやTesco、Union Bankなど業種を問わず広がっている状況だ。ある金融機関のケースでは、モバイルアプリ開発やそれに伴う基幹システムのテスト開発などを含めて月間デプロイ数が1万7000件に達するほど“迅速化”しているケースもあるという。「機能強化はそうした新しい市場ニーズに応えたもの」(渡辺氏)でもある。
Release Automation 5.5の機能強化点は、チーム作業の強化、構成管理ツールとの連携強化の2つがポイントだという。チーム作業の強化では、「共有コンポーネント」「ダッシュボードとレポート」「パイプライン・オーバービュー」の3つで機能が強化された。
共有コンポーネントは、アプリケーションの配布ロジックを一度作れば、複数のアプリケーションでの共有を可能にする機能。例えば、OSSのアプリケーションサーバ「Tomcat」を使う複数のアプリケーションを保有している場合、配布のフローを共有コンポーネントとして作成し、それを関連するすべてのアプリケーションに適用することが可能という。
ダッシュボードとレポートではポータルで役割に応じたビューをサボート。デプロイプロセス全体を俯瞰でき、課題の迅速な特定、利害関係者間のコラボレーションの促進につながるという。パイプライン・オーバービューでは、計画機能を強化し、リリースのスケジュールと実行が可能になった。
構成管理ツールとの連携強化では、ChefやPuppet、「CFEngine」のサポートを強化し、基盤の構成管理とアプリケーションのリリースをシームレスに統合。Dev側、Ops側双方からレシピやクックブックを適用しやすくした。「基本的には、Ops側が作成したレシピをDev側が使うというような使い方を想定している」という。
Service Virtualizaiton 8.0.1は、シミュレーションを自動的に実行できるようになったことが大きな変更点。「AIのようなロジックを使ってスタブを自動的に作成してくれるので、スタブプログラムを書かなくても済む。他社にない画期的なサービス」(渡辺氏)としている。