今回、HPが打ち出した製品戦略は「ビジネスタブレットとは何か」を示したものと言えそうだ。
「SatyaがCEOになってマイクロソフトの研究開発の姿勢も大きく変わった」 (日本マイクロソフト 加治佐俊一 最高技術責任者)
日本マイクロソフト 加治佐俊一 最高技術責任者
日本マイクロソフトが先ごろ、マイクロソフトの研究開発における成果や取り組みについて記者説明会を開いた。日本マイクロソフトの最高技術責任者(CTO)でマイクロソフトディベロップメントの代表取締役社長も務める加治佐氏の冒頭の発言は、その会見で、2014年2月に米Microsoftの最高経営責任者(CEO)に就任したSatya Nadella氏が、同社のビジネスやマネジメントとともに研究開発に対しても大きな影響力を及ぼしていることを語ったものである。
加治佐氏が会見で説明したマイクロソフトの研究開発における成果や取り組みについての内容は関連記事を参照いただくとして、ここでは同氏が語ったNadella氏の研究開発への影響力にまつわる話に注目したい。
Nadella氏がCEO就任後、社内外へのメッセージとして「私はIT業界においてこれまで伝承されてきたことにはリスペクトしない。大事なのは、これからどのようなイノベーションを起こせるかだ。これからのイノベーションに向けて、モバイルファーストおよびクラウドファーストを強力に推進していきたい」と語ったのは広く知られているが、加治佐氏はこのメッセージが同社の研究開発部門にも大きな影響を及ぼしていると言う。
同社の研究開発部門は、「オペレーティングシステムズ」「アプリケーション&サービス」「クラウド&エンラープライズ」「デバイス」などのチームからなり、これまで3年以内をめどに製品化できる技術の開発に取り組んできたが、加治佐氏によると、CEOに就いたNadella氏はその時間軸にこだわらず、どんどんスピーディーに研究開発を進めるように求めていると言う。その結果、加治佐氏の冒頭の発言のように、研究開発の姿勢が大きく変わり、一段とアグレッシブな取り組みが行われているようだ。
それにしても、「私はIT業界においてこれまで伝承されてきたことにはリスペクトしない」とのNadella氏のメッセージには“不退転の覚悟”を強く感じる。果たしてMicrosoftはダイナミックに変革を遂げられるか。加治佐氏の話を聞いて、Nadella氏の経営手腕にますます興味が深まった。