「VSANはリリースから1年でグローバル1000社に採用された。今回は、ソフトウェアの改良だけでパフォーマンスが2倍以上になるなど、大幅な機能拡張を施した。これまでは、VDI(仮想デスクトップ基盤)やディザスタリカバリ、テスト環境などを推奨環境にしていたが、6からは本番レディだ。サーバ仮想化のインフラ基盤として理想的な環境に仕上げた」(桂氏)
「vSphere Virtual Volumes」は、ストレージが仮想マシンを認識し、アプリ視点の自動化を実現する機能だ。たとえば、仮想サーバを構築すると、ストレージがそれを認識して自動的に構築した仮想サーバにふさわしいディスクを割り当てるという。
T10という標準に準拠しているためデータパスに影響は与えず、既存のプロトコル(Fiber Channel、iSCSI、NFS)を利用できる。すでに国内企業を含めた主要ストレージベンダー29社(EMC、NetApp、Hewlett-Packard、Dell、IBM、NEC、富士通、日立製作所、Tintriなど)がパートナーとして参加しており、リリース時には、利用可能になる見込みだ。
Integrated OpenStackは、VMwareの仮想アプライアンスとして提供されるOpenStackディストリビューションだ。OpenStackのコードに加え、VMwareが提供するOpenStackドライバと、OpenStackに対応した管理ツールが提供される。いわゆる“OpenStack on vSphere”として稼働する構成だが、VMwareによる検証が施されており、15分で展開が可能だという。
「OpenStackを使ってDevOpsやクラウドネイティブといった新しい取り組みを進めたいという声をよく聞くようになった。OpenStack環境をいちから整備するのは意外に難しい。単一ファイルを展開するだけで利用できることは大きなメリット。また、インターフェースや機能はOpenStackネイティブであるので、既存ユーザーも問題なく利用できる。テスト環境としての利用だけでなく、本番環境で利用できるように検証している」(桂氏)
VSANもIntegrated OpenStackも、vShpereと統合されていることが大きなポイントだ。管理コンソールのvSphere Web Clientのメニューから直接、設定できる。VMware Integraged OpenStackは、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)をパートナーとして国内展開する。
ライセンスと価格
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャー 入谷光浩氏
会見には、IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏が参加。仮想化をめぐるユーザー企業の動向として、サーバ仮想化の実施割合は全体の48%で、すでに、サーバ仮想化と仮想ネットワーク、サーバ仮想化と仮想ストレージといった「データセンター全体の仮想化」が半分超になっているとの調査結果を紹介した。
クラウドの管理についても、パブリックとプライベートを個別に管理するのではなく、ハイブリッドで運用管理していくとの回答が66%に達していることを紹介。「ハイブリッドクラウドを実現するためITサプライヤー間では主導権争いの競争が激化する。ユーザー企業ではインフラのアーキテクチャ再考が迫られる」と述べた。