SAPが新製品「S/4HANA」で示した未来のビジョン--依然として残るいくつかの疑問 - (page 2)

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年02月13日 06時00分

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 2種類のコード。SAPのS/4HANAでは、2種類のコードが作成されている。HANA向けのSAPアプリと、そのほかのプラットフォーム向けのSAPアプリだ。SAPが今後、どのようにイノベーションを管理して、新機能を発表し、すべての顧客の満足度を維持していくのか要注目だ。SAPはHANAベースのアプリを優先すると仮定することは、論理の飛躍ではない。別の問題もある。2種類のコードというアプローチが採用されたことで、ロードマップを検討中のSAP顧客にほかの選択肢を模索する口実をさらに与えることになる。どのみちコードを変えなければならないのなら、あらゆる選択肢を検討してみよう。

 HANAのキラーアプリは? HANAプラットフォームのキラーアプリはBusiness Suite、特にSimple FinanceだとSAPは主張する。Simple Financeはリアルタイムの可視性によってCFOに訴求する製品だ。革命には必ずきっかけが必要であり、SAPの幹部陣は、2020年には人々が2015年2月3日は重要な転換点だったと振り返るようになる、と確信していた。これから先はホッケースティック曲線のように急上昇していくだけだろうとそれらの幹部陣は話す。1つ難問がある。普通、キラーアプリの登場は予想できないものだ。そして、普通、ベンダー自身が自社のアプリをキラーアプリと認定することはできない。

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 価格。早期のS/4HANA顧客は、9月30日まで販売促進キャンペーンを利用できる。CIOは知的財産の利用に料金を支払うことを理解しているようだ。IT購入担当者はHANAとほかのデータベースのTCOを分析して、機能の価値を評価することになるだろう。SAPはHANAの価格について、以下の通り説明している。

 既存のBusiness Suiteユーザーで、今も保守をしており、さらにSAP HANA Runtime Database for Business Suiteのライセンスを利用している場合、プロモーションの一環としてS/4HANAを追加料金なしで2015年9月30日まで利用できる。(中略)既存のSAP HANA Runtime Database for Business Suiteに追加してS/4HANAも追加料金なしで利用できるようになるという意味だ。

 ロックインの感覚。現実を直視しよう。HANAの導入を検討しているすべてのSAP顧客は、既に同社のアプリを使って事業を運営しているはずだ。HANAに移行しても、ロックインの感覚はそれほど強くならないように思える。SAPがOracleより安く製品を提供できるのなら、特にそうだ。SAP顧客がスタック全体を同社に賭けることを躊躇するかどうかは、これから明らかになるだろう。少なくとも、この分野にはOracleもいるので、SAPに対抗できるアプリプロバイダーが常に存在する。OracleとSAPはいずれも最適化されたスタックと業務変革を手がけているので、安心してほしい。SAPがニューヨーク証券取引所(NYSE)で開催した発表イベントでは、Royal Dutch ShellのCIO、Alan Matula氏は、「現在のフットプリント(ソフトやシステムなどが占有するスペース)を見てほしい。あなたは既にロックインされているはずだ」と気の利いたコメントを述べた。

 どれくらいの時間がかかるのか?S/4HANAはSAPの未来を示す製品だが、多くの顧客は迅速に移行できる立場にはない。SAPの幹部陣もHANAへの移行には時間がかかることを認めている。SAPはそれぞれの顧客とともにロードマップを見直して、今後進むべき道を決定するだろう。Matula氏は、Royal Dutch ShellでHANAプロジェクトを70件以上進めているが、それらはすべて新しいアプリケーションやビジネスケースに関する小規模な取り組みだ。S/4HANAについては、HANAがエンタープライズクラスのデータベースにあるものをすべて備えていること、そして、「価格設定が理にかなっている」ことが移行の条件であるとMatula氏は述べている。Shellの規模だと、S/4HANAへの移行は複数年にわたる作業になるだろう。5月のSAP Sapphireで、SAPはS/4HANAのマネージドクラウド版を発表する予定だ。それによって、顧客に移行の機会が開かれる可能性が高い。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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