帽子を製造、販売するグレースは、クラウド上で稼働する統合基幹業務システム(ERP)を導入、1月7日から稼働を開始した。構築を手掛けたロータスビジネスコンサルティング(LBC)やSAPジャパン、日本IBMが2月10日に発表した。
グレースは、デザインと品質の高さを武器に日本、米国、香港、イスラエルに拠点を置いてグローバルな事業を展開しているという。成長を進めるためのグローバル展開を支援するには、世界中で標準化されて導入しやすい基幹システムの構築が求められており、担当者の負荷が少なく短期で導入でき、成長に応じて柔軟に対応できるシステムを選定する必要があったとしている。
そこで同社は、SAPジャパンの中堅中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」を日本IBMのIaaS「SoftLayer」を活用するLBCのサービス「Cloud One for SAP Business One」を採用。利用契約を締結した2014年12月からわずか2週間でを稼働させた。
Cloud One for SAP Business Oneは、中堅中小企業の業務を対象に最適化されたグローバルな標準機能を持ち、短期間で導入できるという。グレースの担当者は商品データと取引先データを登録しただけで容易にシステムを構築できたとしている。
SoftLayerの特徴の一つとして日本IBMが提供する「業界業務プロファイル」を活用したため、無駄な作業を最低限に抑え、効率的かつ早期にシステムを構築できたと説明。このプロファイルは、業界別や業務別にシステム構成や運用機能設計、セキュリティ情報などをまとめたガイドで、グレースでは「アパレル業プロファイル」を採用している。
サービス基盤として、2014年12月に開設されたSoftLayer東京データセンターを利用している。データの保管場所やプライバシーに関するユーザー企業の課題に対応し、国内での保持を希望する機密データを活用、保管できるようになった。グレースは、SoftLayerの特徴を生かし、米国、香港、イスラエルでも同システムを順次採用する予定。