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バルマー氏の功績を再評価する--マイクロソフトを再びクールにした陰の立役者 - (page 4)

Mary Branscombe (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-02-13 06:30

 また「Intense Ballmer」(真剣なBallmer)という顔もある。話の多くはMicrosoftがセキュリティに新たな側面から注力しているという点に行き着くが、Windowsの当時の責任者であるJim Allchin氏は、Ballmer氏が内輪の結婚式に参加した後、同席していた親類のタワーPCの修理を引き受け、その作業に週末を費やしたという逸話をよく語っていた。そのPCは数多くのウイルスに感染していたため、Ballmer氏は修理のために家に持ち帰り、月曜の朝に車に乗せて職場に持ち込み、そのままミーティングの相手であるAllchin氏の目の前に置いて同氏をぎょっとさせたのだ。Allchin氏は「そのマシンの状態は驚くほどひどいものだった」と述懐している。PCはその後、Microsoftのチームによって数日かけて問題が解決され、Ballmer氏の元に返された。PCを受け取った同氏は、たった1台でこれだけの時間がかかるのだと指摘した。これはマルウェアがPCにどれだけの問題を引き起こすのかという話であり、それこそがBallmer氏の解決したいと考えていたことだった。

 Ballmer氏の注意をあるプロジェクトに向けることは、長短入り混じった結果を引き起こす。同氏の好むアイデアを考えつけば、それまでは成功に必要とされるリソースを割り当ててもらえなかったり、他部門の協力が得られていなかったとしても、突如として全面的な支援が受けられるのだ。Ballmer氏は、「Smart Display」のバージョン2ではローカルとリモートの双方から同時にWindowsへのログインを可能にすると約束していた。バージョン2が実際に出荷されなかったのは、この約束によって1つのライセンスが2度使えるようになると考えられるためだろう。

 また、同氏がノーと言わなかったために問題が引き起こされることも時々あった。例えば、同氏は見切りを付けるべきだった「Photon」をいつまでも支援していた。これこそが数年間にわたって停滞していたモバイル開発の遅れを取り戻すために「Windows Phone 7」が拙速で開発された理由だ。なお同氏によると、最大の後悔は「Longhorn」と「Windows Vista」のごたごたを長期間放置したことだったという。

 そしてもちろん「Angry Ballmer」(怒りのBallmer)という顔もある。想定外の問題が発生すると、Ballmer氏から電話がかかってきて大きな雷を落とされるのだ。同氏が他のCEOと同じくらい共に働きづらい人物であるのは間違いない。しかし、Angry BallmerもSales Ballmerも同氏の持つひとつの側面でしかない。

 Satya Nadella氏は読みにくい人物だ。同氏は真剣味にあふれているが情熱はBallmer氏よりも静かなものとなっている。Nadella氏は売り上げの数字を挙げるよりも詩を引用する方が似つかわしい。また、同氏はエンジニアが上司であることに心地よさを感じるMicrosoftの従業員に訴えかけるものを持っている。そして同氏は明らかに、自らがCEOになる前にBallmer氏が下した意思決定のメリットを享受している。Satya Nadella氏がMicrosoftに対して行っていることに好感を持つのであれば、偏見を捨てて、そのうちのどれだけがSteve Ballmer氏によって可能になったのかも考えてほしい。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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