技術革新によって、われわれの仕事の進め方は驚くほどのペースで変化してきている。このため、IT部門のリーダーやIT関連の意思決定を任されている人々は、競争力を維持するために自らの業界に影響を与える可能性のある最先端のトレンドを押さえておく必要がある。
米国時間2月3日、プロフェッショナルサービスを提供する企業Deloitteは、テクノロジトレンドに関する、6回目の年次報告書「Tech Trends 2015 - The fusion of business and IT」(テクノロジトレンド2015 - ビジネスとITの融合)を公開した。この報告書は、テクノロジという側面からITの将来に影響を与えるものに光を当てており、以下の8つのトレンドを分析している。
- 最高インテグレーション責任者としての最高情報責任者(CIO)
- API経済圏
- アンビエントコンピューティング
- ディメンショナルマーケティング
- すべてがソフトウェア定義に
- コアルネッサンス
- 知能増幅
- 将来のITワークフォース
それぞれのトレンドは、IT関連の未来の意思決定に変革をもたらす可能性を秘めているが、本記事ではIT部門のリーダーが特に注意を払っておくべきだと考えられるものを4つ選び出し、140ページ以上あるこの報告書から要点をまとめた。
最高インテグレーション責任者としてのCIO
最高技術責任者(CTO)や最高マーケティング責任者(CMO)、最高開発責任者(CDO)、CIOの役割は最近変化しているとはいえ、これらの役割は依然として企業のITにおける要となっている。しかし、CIOの将来について語るうえで、その役割の定義が難しくなってきているという問題が一部にある。
DeloitteのCTOであるBill Briggs氏は「同じ責任とスキルを持つCIOなど、まずいない」と述べるとともに「この役職は比較的新しいものなのだ」と語っている。
Briggs氏の主張はある意味において主観的であるが、同氏によるとDeloitteはCIOという役割を4つに区分しているという。それらはオペレータとテクノロジスト、ストラテジスト、カタリストだ。
Deloitteの報告書によると、CIOの役割を形成する鍵は、会社の将来的なビジョンと、現在の運営上のニーズをバランスさせるとともに、ビジネス戦略に対してさらに注力していくことだという。
ITのマネジメントというものはすべからく、組織と透明性に行き着く。CIOはIT関係の投資やプロジェクトにポートフォリオ管理アプローチを採用するべきだという点で、「ベンチャーキャピタリストのように」IT管理を取り扱うべきだ。さらに、IT部門の「バランスシート」とでも言うべきものを作成し、ITリソースの割り当てや準備が企業の優先順位を反映していることを社内の他部門の人々により良く理解してもらえるよう、完全に可視化しておくべきだ。
SugarCRMの最高経営責任者(CEO)Larry Augustin氏によると、こういった変化はCIOの役割に影響を与えており、その理由の一部にはコンシューマライゼーションもあるのだという。
「かつてテクノロジは、企業のために生み出され、その後コンシューマーに届けられていた」と述べる同氏は、「今はその逆になっている。テクノロジはコンシューマーのために生み出され、企業への道を切り開いている。その結果、CIOはそれらのテクノロジのインテグレーターとなっている」と語っている。
また、現代の新興企業向けの教科書ともなるこの報告書では、CIOに「失敗を奨励する文化を醸成する」よう奨励している。これは失敗を祝福するという話ではなく、繰り返しを通じて学習し、迅速に規模を拡大していくという考え方を受け入れるという話だ。
さらにCIOは、問題を解決し、未来への道をひらくための、同業者との連携や、新たなパートナーとの協力に向けた機会を模索するべきだ。