注目すべき4つの波--デロイトの2015年版テクノロジトレンド報告書より - (page 2)

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-02-20 07:00

API経済圏

 アプリケーションプログラミングインターフェース(API)はかつて、開発者の使うツールでしかなかったが、今では多くのビジネスモデルの基盤となっている。APIはモノのインターネット(IoT)から、「Lyft」や「Uber」といったライドシェアサービス(バックエンドで「Google Maps API」を使用している)に至るまでのあらゆるものの背後に存在している。

 APIは新しいトレンドというわけではないが、この報告書では最近起こったある特定の変化によるAPIの普及に光を当てている。その変化とは「話題が技術的なニーズから業務の優先順位に広がった」というものだ。

 どのAPIに投資するのかを決定する際に、Briggs氏は「公開することで、そしてその市場を作ることで価値を生み出せそうなものとして、何があるのだろうか?」という質問を問いかけるという。

 API革命が形になりつつあるなか、価値と利益を適切に説明することが反対を退けるうえで重要となる。この報告書ではAPIを製品のように取り扱い、使用を検討しているAPIを使った具体的なビジネスケースを作り出すよう勧めている。

 APIを導入する際には、そのスコープについて格段の注意を払うようにしてほしい。APIの導入をきっかけとして、貧弱なコードや以前から存在するセキュリティリスクが表面化する可能性もあるため、そういった問題が発生した場合に備えておかなければならない。また、APIによって検討すべき法的問題が出てくる可能性もある。

 さらにAPIによって、自社のデータから洞察を得る方法が変わってくるという点にも注意してほしい。

 Augustin氏は「ここでのマイナス面は、データセットをまたがるデータの相関関係が見出しにくくなるというものだ。というのも、APIによってデータの分析方法に制約が課されるためだ」と述べるとともに、「APIのおかげで、データをコントロールして容易に金銭に換えられるようになる一方で、その制約によってユニークな洞察を得ることが難しくなる」と述べている。

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