IDC Japanは2月18日、国内ITサービス市場の予測を発表した。2014年は好調に推移し、6年ぶりに前年比成長率3%台を回復。2015年以降も成長率は低くなっていくものの、堅調な成長が見込む。
2014年は、前年比3.1%増の5兆1893億円。年前半は金融業や官公庁などのシステム開発需要に支えられ、好調に推移した。データセンターサービスやIaaS(Infrastructure as a Service)の利用拡大も、市場の成長を下支えしているとした。
国内ITサービス市場は、2015年以降も成長を継続し、2014~2019年の年間平均成長率は1.6%、2019年の同市場は5兆6205億円になる見込みという。
金融機関でのシステム統合や基幹系システムの刷新などの大型投資、「社会保障・税番号制度」いわゆる「マイナンバー」制度に関わる投資などが市場のけん引役とした。加えて、クラウドやビッグデータ、モビリティ、ソーシャルなど“第3のプラットフォーム”に関するITサービス支出も、市場の成長の一要因という。
これらは、既存のITサービス市場を縮小に導きかねない動きでもある一方、顧客の売上拡大や利益の大幅な増加をもたらし、これまでITの利用が少なかった中小企業のような新たな顧客セグメントを開拓するなど、市場拡大の促進要因にもなりうると指摘した。
IDCは事業者に対し、第3のプラットフォームをベースとしたビジネスモデルを自ら構築し、顧客である企業に対してはITを触媒としたイノベーション実現を訴えかけていくべきと提言している。
2013~2019年 国内ITサービス市場支出額予測(IDC提供)