2月23日の日経平均は134円高の1万8466円だった。景気や企業業績の回復を好感して上値トライが続くと予想される。
今日は、銀行株の投資判断について、楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏の見解を紹介する。2月19日の「注目される銀行株--財務も収益力も改善」の続編となる。
出遅れの大手銀行株
日経平均の上昇スピードは速いが、個別銘柄を見ると、まだ上昇率が低い「出遅れ株」もたくさんある。出遅れ株の中で、窪田氏が投資対象として有望だと考えているものに大手銀行株がある。まず、2014年以降の株価の動きを日経平均と比較した、以下のグラフをご覧いただきたい。
3メガ銀行の株価推移、日経平均との比較:2013年12月30日~2015年2月23日

(注:2013年12月30日の株価を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)
3メガ銀行の株価は割安
3メガ銀行はいずれも割安だ。配当利回りや株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)などの株価指標を東証株価指数と比較すれば、一目瞭然だ。
大手銀行の株価バリュエーション:2月23日時点

(注:楽天証券経済研究所が作成)
配当利回りを見ると、東証株価指数(東証一部平均)は1.7%だが、大手銀行は2~3%とそれを上回る水準だ。
PERは株価が1株あたり利益の何倍になっているかを示すものだ。倍率が低いほど株価は収益価値に対して割安ということになる。東証株価指数のPERは今17.6倍だが、大手銀行株は8~11倍台と割安だ。
PBRは株価が1株あたり純資産の何倍になっているかを示すものだ。倍率が低いほど株価は資産価値に対して割安ということになる。東証株価指数のPBR1.46倍に対し、大手銀行株は0.7倍台と1倍を割り込んでいる。
こうして見てみると、大手銀行株は配当利回り、PER、PBRのいずれで見ても割安ということができる。