日本IBMは2月24日、オールフラッシュストレージ「IBM FlashSystem」の新モデル「IBM FlashSystem 900」「IBM FlashSystem V9000」を発表した。FlashSystem 900は税別の最小構成価格が1339万2000円から。3月20日から出荷する。FlashSystem V9000は税別の最小構成価格が3625万1200円から。4月24日から出荷する。
FlashSystem 900は、2Uサイズで2.4T~57Tバイトの使用可能容量と、最速で110万IOPSを確保しているという。FlashSystem V9000はFlashSystem 900をベースにIBMのSoftware Defined Storage機能を統合している。10年以上の実績があるというストレージ仮想化で高速コピー、遠隔コピー、リアルタイム圧縮などの機能を250種類以上の主要ベンダーのストレージで利用できる。
既存ストレージシステムの非効率性を解消しつつ、複雑で管理方法の異なる複数ストレージを一元的に管理できると説明。6~34Uにサイズを拡張でき、リアルタイム圧縮と組み合わせると、最大2.2Pバイトのユーザーデータ(圧縮率20%)を最速で252万IOPSでアクセスできるとしている。
IBMでは2013年4月にフラッシュストレージの研究、製品開発に対する10億ドルの投資を発表しており、新製品にはその成果の一つであるIBM FlashCoreテクノロジが搭載されている。今回、Micron Technologyとの共同開発でコスト優位性のあるMLCフラッシュチップをベースに、10倍の信頼性があるといわれるeMLCフラッシュチップとほぼ同等の書き込み回数を実現できるという高密度MLCフラッシュチップを新規に開発。新しいチップを搭載することで最大容量が約40%増加するとメリットを説明している。
FlashCoreテクノロジには、サイバー犯罪やデータセキュリティの脅威からリアルタイムにデータを保護するハードウェアベースの暗号化機能、フラッシュモジュール内で発生した障害のリビルドを数秒から数分で完了し多重障害によるデータ消失のリスクを最小化できるというVariable Stripe RAID、システムを止めることなくシステムを最新の状態に保つファームウェアのコンカレントロードなどが含まれる。
専用回路のフラッシュチップの制御で24個のソリッドステートドライブ(SSD)を搭載した2Uストレージと比較し、FlashSystem 900では最大67倍の同時並列読み書き処理が可能としている。