販売ルートを限定
シャープがIG-GA130を開発した背景には、1cm3あたり約10万個というイオン濃度を生み出す新開発のデバイスを最も効果的に生かす製品を開発したいという狙いがあった。
より高濃度のプラズマクラスターイオンが発生するデバイスを搭載することで、これまで23機関で実証されてきたウイルス、アレルゲン、カビ、細菌の感染力や活動抑制のほか美肌や美髪、肌保湿、脱臭といった効果をより効率的に空間内にもたらすことができるという。
シャープ 健康・環境システム事業本部 プラズマクラスター機器事業部副事業部長兼海外商品企画部長 冨田昌志氏
「住宅の高気密化に伴い、ダニが繁殖しやすい環境になり、ダニのふんや死がいといったアレル物質に困っている家庭が増えている。発生量を高めたプラズマクラスターイオン発生デバイスを新たに開発したことで、こうした課題を解決できるようになる」(冨田氏)
IG-GA130の販売ルートを調剤薬局をはじめとする医療、衛生サービス関連企業に限定してスタートしたことも注目すべき点だ。
シャープでは「1cm3あたり約10万個のデバイスを使用したIG-GA130の効果を正しく訴求してもらう販路を通じて提供していきたい」とする。
IG-GA130は、医療機器の認可を受けているわけではないため、シャープの直販サイトや量販店などを通じて販売も可能であるが、効果に関する適切な説明を優先して販売ルートを限定することにした模様だ。
シャープのリリース発表によると、1cm3あたり約10万個のデバイスを使用した臨床研究で小児アトピー型の軽症と中症のぜんそく患者の気道炎症レベルが低減した成果が出ているという。
右が2万5000個を発生するデバイス、左が10万個を発生するデバイス。大きさが違う
シャープでは、発売前の11月13~24日に同社会員制サイトでモニターを募集した。30世帯の定員としていたが、期間中に定員を遥かに超える2000件以上の応募があったという注目ぶりとなった。
モニターは12月の1カ月間だが、延長使用について尋ねたところ、多くの利用者が延長利用を希望。1月中までモニター試用した人たちが多かったという。モニターの多くは、ダニのアレル物質に困っている人たちだったようで、IG-GA130による効果を感じ取った人が多かったといえそうだ。モニターの声は、今後の製品開発やマーケティングにフィードバックしていくという。
ダニアレルゲンは、ぜんそくの主要抗原のひとつとされている。プラズマクラスターイオンはダニの死骸やふんに含まれる浮遊ダニアレルゲンの抑制効果があるとされている。IG-GA130は、ダニのアレル物質に困っている人にとって気になる製品であるのは明らかだ。