2014年の秋、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏は大胆な(一部の人にとっては不可解に思える)発言をしている。同氏は、Microsoftが持つ最も価値が高く戦略的なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)は「Office 365」だと述べたのだ。
サードパーティー(およびMicrosoft自体)の開発者がOfficeを拡張しやすくすることで、波及効果が得られるというのがその理由だ。Office 365のAPIを使用する開発者は、「Azure Active Directory」やその他の関連サービスも利用している。
同じ議論が、「OneDrive」などのほかのクラウドサービスにも当てはまる。Microsoftは、開発者が「Windows」「iOS」「Android」向けアプリを書く際に、新しいOneDriveのAPIを使うことを奨励することで、OneDriveのプラットフォームやその関連サービスのユーザーが増えることを期待している。
5月に開催されるカンファレンス「Microsoft Ignite」のセッション紹介によれば、同社はさまざまなセッションでOffice 365 APIの拡張性について発表する予定だ。
Microsoftは、開発者がOffice 365を使って、Windowsや「Windows Phone」だけでなく、iOSやAndroidのデバイスでも動作するモバイルアプリを作れることを示そうとしている。開発者はこれらのAPIを使用することで、「Azure Active Directory」のユーザーとグループ、ファイル(OneDriveと「OneDrive for Business」)、メール、カレンダーなどにアクセスできる。
しかも、Office 365のAPIにはほかのものも数多く含まれている。企業向けソーシャルネットワーク「Yammer」のAPIもあれば、「Skype for Business」(元「Lync」)のユニファイドコミュニケーションAPIも含まれる。
Microsoftはその他のクラウドサービスのAPIも広めようとしており、米国時間2月24日に「新しい」OneDrive APIを公開したと発表した。
さらに同社は、サードパーティーが利用できる「Outlook」と「Outlook Web App」のAPIも増やそうとしている。Igniteのセッションリストにもあるとおり、2年前から「Outlookプラットフォーム用アプリ」が提供されており、2014年には「新規作成アプリ」がリリースされている。また、同社は「OneNote」のAPIでも開発者を引きつけようと試みている。
Microsoftが開発者に解放しようとしているクラウドサービスのリストは、同社が「Digital Work+Life」の中心に据えようとしているOfficeの4つの「ハブ」に対応する。MicrosoftのApplications and Servicesグループは、「文脈を理解し、世界の変化に対応し、適時適所で積極的に重要な情報を提供する」ための共通の「下地」を作ろうとしている。このチームの目標は、「OneDrive、OneNote、Outlook.com、Skypeの4つのハブサービスに人を呼び戻すこと」だ。
MicrosoftはクラウドサービスのAPIをオープンにすることで、アプリやサービスを構築する開発者を引きつけ、そのことが最終的にMicrosoftの利益に貢献することを期待しているのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。