IBMの最高経営責任者(CEO)であるGinni Rometty氏は米国時間2月26日の投資家向け説明会で、IBMは企業向けを中心とする「価値の高いイノベーション」を重視し、アナリティクス、クラウド、モバイル、セキュリティなどの分野の成長に向けて40億ドルを投資すると語った。

Ginni Rometty氏
Rometty氏は「IBMの将来について明確化」したいとして、クラウド、電子商取引、コグニティブコンピューティングなどの分野での前進について強調した。例えば、ハードウェアがIBMの事業の10%に満たない一方、「戦略的に重要」な事業は売上高の27%を占めるという。同氏は、今後4年で成長事業が売上高の40%を占めるようになるとした。
また、成長事業やパートナー事業をどう差別化するかという点にも触れ、Appleとの提携や、「Watson」に関するソフトバンクとの提携を挙げた。
Rometty氏は、「IBMは再発明された」と述べ、「当社はビジネスとテクノロジについて、独特の立場にある」とした。
同氏はIBMの基本計画を説明するにあたり、大きく3つのテーマについて語った。
- 投資を拡大し、戦略的に重要な事業に40億ドルを投資する。これに買収は含まれない。
- ソフトウェア、メインフレーム、ストレージ、サービス分野の中心的ポートフォリオでの革新を続ける。
- オープンなエコシステムとパートナーシップに関する新たな成長戦略を策定する。
また、中心的事業については以下を目指すとした。
- ハードウェア事業の安定化と高収益化。次世代メインフレーム、「POWER8」プロセッサ搭載のハイエンドサーバ、POWERシリーズ、ソフトウェア定義ストレージが2015年の収益を引き上げると見込む。
- ソフトウェア部門における数%の売上高増加。プラットフォームを利用する顧客をつなぎ止めつつ、サービスなどを追加することで実現を見込む。
- ビッグデータプロジェクトやクラウド採用を推進するサービス。長期的に売り上げが1桁台前半で成長すると見込む。
しかし、IBMでこれから成長するのはクラウド、モバイル、セキュリティ、分析、パートナーシップだろう。こうした新しい部門の市場には、IBMの中心的な顧客が多くおり、その80%がIBMのサービスやソフトウェア、ハードウェアを利用している。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。