オラクル、「MySQL Cluster 7.4」をリリース--処理速度と管理性を改善

Toby Wolpe (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-02-27 15:36

 Oracleはオープンソースのデータベース製品「MySQL Cluster」のバージョン7.4をリリースした。この新バージョンのリリースは、前バージョンのリリースから実に20カ月ぶりとなる。バージョン7.4では新機能の導入よりも既存機能の改善に主眼が置かれており、パフォーマンスの向上とメンテナンス性の大幅な改善が図られている。これにより、アナリティクスなどの複雑なワークロードをより高速かつ効率的に実行することができる。


Tomas Ulin氏
提供:Oracle

 OracleのMySQLエンジニアリング担当バイスプレジデントであるTomas Ulin氏によると、バージョン7.4では使用可能なノード数の上限こそ増えていないものの、システムのコア数が多いほどパフォーマンスが向上し、ノード数が多い環境でのパフォーマンスも改善されているため、大型のシステムでは最大で50%の高速化を実現できるという。

 前バージョンの7.3はスケーラビリティ向上のため、複雑なクエリを複数ノードで分散処理して結果をマージする機能を備えていたが、こうした処理のパフォーマンスはテーブルスキャンの速度に依存していた。そのためバージョン7.4では、テーブルスキャンの速度を向上させるため、幾つかの重大な機能改善を施したとUlin氏は述べている。

 また、従来のバージョンはノードを迅速に追加する機能を備えていたが、ノードを追加した場合はデータの再割り当てを行い、追加したノードを含むシステム全体でデータを均等化する必要があった。そのためバージョン7.4では、顧客から最も多くの要望が寄せられていた、データの分散状態と使用率を可視化する機能が実装され、データの削除が全体に与える影響と、メモリが解放されるタイミングを確認できるようになった。また、各種の補足情報によりデータの使用パターンも把握できるようになり、たとえばアクセスの集中を招いてシステム全体のパフォーマンスに悪影響を与えるようなデータがないかどうかも確認できる。

 なお、バージョン7.4のもう一つの重要な改善点として、地理的冗長性の強化とオンラインメンテナンスの高速化がある。Ulin氏によると、メンテナンスは従来の5倍に高速化されているという。企業のシステムが広範な地域に分散し、ノードも大型化している現状に対応するため、バージョン7.4の開発ではメンテナンス時間の短縮とノード再起動の高速化を特に重視したとUlin氏は述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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