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電力小売り自由化へ--アベノミクス3本目の矢へ期待

ZDNet Japan Staff

2015-03-05 11:09

 政府は3日、電力改革の仕上げとなる電気事業法などの改正案を閣議決定した。改正案が今国会で成立すれば、電力小売りは2016年4月から完全自由化される。また、2020年には、大手電力会社から送配電部門を分離する「発送電分離」が行われる。

 今日は、楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏が電力自由化について考えていることをまとめる。

2016年4月から電力小売り自由化へ

 窪田氏は先週、東京ビッグサイトで開催された「電力自由化EXPO」「エコハウス&エコビルディングEXPO」を視察してきた。電力小売りの完全自由化が2016年4月から始まる見通しとなったことを映し、電力小売り事業の拡大や参入を目指す事業者による活発な商談が行われているのを見て、電力自由化が一歩一歩着実に進んでいる印象を受けたという。

 企業や工場(高圧部門)だけが受けている小売り自由化の恩恵を2016年以降、個人(低圧部門)でも受けられるようになる見込みだ。個人もどこから電力を買うか選べる時代になるわけだ。多様な小売り業者が提供する料金メニューを比較することで、電力料金を下げる余地も出てくる。

 ガス小売りも2017年に自由化される見込みなので、電力・ガスをセットで1つの業者から買うことで、セット割引を受ける余地も生まれる。セット割引はいまや通信や放送など、あらゆる分野に広がっている。多様なセット販売のメニューに電力も加わってくることになる。

 多少料金が高くても再生エネルギー発電を応援したいと考える人は、太陽光や風力発電業者から電気を買うという選択も可能になる見込みだ。

電力自由化の全体像

 小売り自由化は、電力自由化の全体像の一部にしか過ぎない。電力自由化は、以下の3段階で進行中だ。

・発電事業への参入自由化

 1995年から、独立発電業者(IPP)による卸電力供給が認められるようになった。ただし、独立発電業者は、既存の電力会社に競争力で劣るため、今日まで発電シェアは大きくは伸びていない。既存の電力会社は発送電をトータルで支配していること、規模の経済が働くことから、これまで独立発電業者に大きくシェアを奪われることはなかった。

・電力小売り事業への参入自由化

 2000年に2000キロワット以上で受電する大口需要家への電力販売が自由化された。2005年には50キロワット以上で受電する需要家に自由化範囲が広がった。2016年から個人(低圧部門)まで含めてすべて自由化される見込みだ。

・発送電分離

 既存の電力会社を発電会社・送配電会社・小売会社に分割する。具体的な中身はこれから議論が始まるが、発電事業・小売事業では競争を促進し、送配電事業は独占を強めることが理想的と考えられる。

 送配電事業は、広い地域をまとめて1社でやらないと効率が上がらない。送配電は、東日本と西日本の2社に集約して独占を強めた方が良いだろう。巨大な送配電独占企業を作ると同時に、送配電網の安価な料金での外部開放を義務付けるのだ。それが、競争力のある新規発電業者や新規参入の小売業者を活性化する鍵になると思われる。

 通信事業では、短距離電話網をNTT東日本とNTT西日本の2社が独占している。独占させないと、効率的な電話網の管理はできない。ただし、その短距離電話網を利用しないことには、いかなる携帯電話会社もインターネットサービス事業も全国規模のサービスを実現できない。安価な料金での短距離電話網の外部開放がNTTに義務付けられているおかげで、日本では多様な通信・ネットサービスが発展した。

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