サイボウズとデジタルテクノロジ
--サイボウズにとっての「デジタル」とは何でしょうか。ちょうど思いついたのが、例の「ワーキングママ向け動画」なのですが、まさにデジタル時代のプロモーション戦略という感じです。
大槻氏 おかげさまで(動画再生数が75万回を突破するなど)大きな反響を呼ぶことができましたが、同時にさまざまな意見も頂きました。元々は、育児に積極的なイクメンではない、ワーキングパパ向けのメッセージのつもりだったのですが、この問題に先進的に取り組んでいる方々から「具体的な解決策を示せ」となどの意見を頂きました。
佐藤氏 あえて答えを出さないというメッセージだったんですね。サイボウズが全ての課題を解決できるとは思っていないし、世の中の制度が充実すれば解決するというものでもない。一番大切なのは、まず気持ちが寄り添うことができているでしょうか、という意図でした。
--この動画はSNSなどでも賛否両論で、高い広告効果があったのではないかと思います。
野水氏 やはりデジタルの良いところは、「非同期化」しやすいという点だと思います。この動画もたくさんの人に見て頂きましたが、同時に見てもらったわけではありません。その点がテレビCMなどとは大きく異なる点ですね。
大槻氏 「こんな動画あるんだけど見てよ」という広がりが生まれるのはデジタルならではですよね。

サイボウズ 野水克也氏
野水氏 ワークスタイルも同じで、全員が同じ時間に作業する時代ではなくなっていくのではないかと思います。さまざまなことが並行して非同期に処理される、大きな意味で言えば、ワークフロー全体がデジタル化されているイメージですね。今よりももっと、高次元に仕事の流れが電子化されていくと思います。
--ちょうど未来志向の話になってきたのですが、皆さんの2020年の野望はありますか。
大槻氏 企業内を飛び越えて、企業間・企業外にチームワークを生み出すプラットフォーム作りにトライしたいですね。
佐藤氏 “企業ごと”地方にIターンするということを可能にしたいです。地方都市や過疎村の活性化につながればと。あと、せっかくなので、オリンピックの何かには関わっていたいです。
野水氏 日本中のコミュニケーションコストを削減して、そのノウハウを海外に売りたいです。企業間のコミュニケーション障壁も低くなっていくだろうし、地域や国同士のコミュニケーションを支えるインフラを作りたいです。どこまで行っても「チームワーク」の会社なので。
----デジタルテクノロジを駆使して、究極のチームワーク提供企業を目指されるというわけですね。力強い野望が聞けました。ありがとうございました。
一同 ありがとうございました。