Microsoftは米国時間3月5日、SSL/TLS暗号化プロトコルに存在する脆弱性「FREAK」への対応方針を、セキュリティアドバイザリ3046015で明らかにした。
この脆弱性は、フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)の研究チームが発見し、3日に公表したもの。影響を受けるブラウザとウェブサイトは、本来の強固なRSA暗号から、「(米国)輸出仕様」の脆弱なRSA暗号に強制的にダウングレードされてしまう可能性がある。この輸出仕様のRSA暗号は、米国が1990年代に行っていた暗号化技術の輸出規制の副産物だ。
今回のアドバイザリによると、SSL/TLS暗号化の実装である「Secure Channel(Schannel)」にセキュリティ機能を迂回(うかい)する脆弱性が存在し、サポートされている全ての「Windows」に影響する。Microsoftは、Windowsクライアントシステムに対する、FREAKを使った攻撃が可能であることを確認したという。
同社は調査完了後、顧客を保護する適切な対策をとると約束し、これには月例または不定期のセキュリティアップデートが含まれる可能性があるとした。
それまでの回避策として、同社は「Group Policy Object Editor」を使って輸出仕様のRSA暗号を無効化するよう推奨している(「Windows Vista」以降のシステムの場合のみ)。 この回避策は「Windows Server 2003」には適用できないが、Windows Serverはデフォルトの設定(輸出仕様の暗号が無効化されている)ではこの脆弱性の影響を受けないという。
AppleやGoogleもそれぞれのブラウザが影響を受けるとして対策を準備中だと報じられている。Reutersによると、Appleは9日の週にパッチの配布を開始する予定。Android用パッチはパートナー各社にはすでに配布されているという。ただし、それらのパートナー企業がエンドユーザーにパッチを配布するのかどうか、配布するとしたらいつになるのかは公表されていない。