イーサネットが、なぜ「Ethernet」と命名されたのか、本連載の読者の皆さんであればご存知の方も多いのではないだろうか。
デカルトあるいはニュートンが光の屈折・回折を説明するために考え出した仮説の媒体。その媒体が宇宙を満たしているからこそ、その影響で光は屈折し、また回折し、という摩訶不思議な媒体。これこそがエーテル、すなわちEtherである(もちろん、現代物理学においてはエーテルの存在は否定されている。念のため)。
世の中をあまねく満たし、情報を届けるネットワーク。だからこそEthernet。
だからこそ、飛行機に乗っていようが、自動車の中であろうが、遍く利用されるということは、その名前から言っても自然なことなのかもしれない。
(今回のコラム執筆においては、同僚の貝瀬斉氏の協力をいただいた。この場を借りて感謝の意を表したい)

- 菊地 泰敏
- ローランド・ベルガー パートナー
- 大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、同大学院修士課程修了 東京工業大学MOT(技術経営修士)。国際デジタル通信株式会社、米国系戦略コンサルティング・ファームを経て、ローランド・ベルガーに参画。通信、電機、IT、電力および製薬業界を中心に、事業戦略立案、新規事業開発、商品・サービス開発、研究開発マネジメント、業務プロセス設計、組織構造改革に豊富な経験を持つ。また、多くのM&AやPMIプロジェクトを推進。グロービス経営大学院客員准教授(マーケティング・経営戦略基礎およびオペレーション戦略を担当)