日本IBMは3月10日、メールやカレンダー、企業内SNS、ウェブ会議などビジネス向けの各種コラボレーション機能を提供するクラウドサービス「IBM Connections Cloud」の新たなラインアップとしてストレージの機能を単独で提供する「IBM Connections Files Cloud」の販売を開始した。税別使用料金は1~100ユーザーで利用者あたり月額571円。日本IBMとパートナー企業から販売される。
Connections Files Cloudは、利用者1人あたり1Tバイトのストレージを提供し、モバイル端末からもアクセスできる。ファイルをソーシャルに共有するためのタイムライン機能「アクティビティーストリーム」とユーザープロフィールの機能も含まれる。
SNSの仕組みで登録された利用者間でのコミュニケーションを実現した上で、3種類のアクセス制御でセキュリティを確保し、企業内に加えて、企業外の利用者とのファイルを共有できる。ストレージを単独で提供することで使用料金を抑えるだけではなく、企業は既存のメールシステムの種類などに関わらず容易に導入できるという。
Connections Cloudは企業や組織による契約で利用可能となり、利用者はそれぞれの組織内に登録される。Connections Files Cloudでは、ファイル所有者のみ閲覧できる「非公開」、同一組織内の利用者が閲覧できる「公開」、組織外を含む指定された利用者のみ閲覧できる「共有」の3種類のアクセス権を各ファイルに対して指定、利用者はそれぞれの指定で「読者」や「編集者」の権限で利用できる。
個人のファイルから企業内や取引先で共有されるファイルまで一括で保管できるだけでなく、作成初期の資料は個人のみアクセス、完成後に組織に公開し関係者による改版を受けて取引先にも共有するといった、ライフサイクルにあわせてファイルを制御できるとしている。企業内と企業外で異なるストレージサービスを使う必要もないと説明。管理者は、組織内の利用者が外部と共有しダウンロードされたファイルの一覧を確認できる。
Connections Files Cloudの画面(日本IBM提供)
iOSとAndroidに対応する、追加費用なく導入できるモバイルアプリ「IBM Connections」でスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも利用できる。頻繁に利用するファイルなどは、更新すれば自動的に同期される。
ファイルのバージョン管理や改版の通知機能、ファイルに対して覚書を付けるコメント機能や必要なファイルをフォローできる機能など、ファイル作成者に加えて、組織全体でのファイルの活用を支援する機能も提供するという。