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日経平均が一時1万9000円、ギリシャ問題の行方

ZDNet Japan Staff

2015-03-13 11:06

 3月12日の日経平均は一時1万9008円まで上昇した。大引けは前日比267円高の1万8991円だった。日経平均は、アメリカの早期利上げ懸念で3月10日に一時1万8557円まで下がったが、「下がったら買いたい」と待っている資金の多さを感じさせる力強い切り返しとなった。

 ただ、アメリカで早期利上げ懸念が高まっている影響もあり、日本株はこのまま一本調子の上昇にはならないと見られている。しばらく、1万9000円前後でのもみ合いとなりそうだ。

 今日は、楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏が、欧州連合(EU)のアキレス腱となっているギリシャ問題を分析する。

ギリシャの信用不安が再燃

 ギリシャに「緊縮財政放棄」を宣言する急進左派連合チプラス政権が誕生してから、過重債務を抱えるギリシャの信用不安が再燃している。

ギリシャ10年国債利回り推移:2013年1月~2015年3月10日)


(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

 2014年半ばまで、ギリシャの信用不安は緩和しつつあった。緊縮財政を続けた効果で経常収支が黒字に転換することが見えつつあったからだ。ところが、緊縮財政を拒否する政権誕生の見込みが高まった2014年後半から不安が再燃している。

資金支援するドイツをギリシャが攻撃

 「ドイツに対して1620億ユーロ(約22兆円)を請求する権利がある」。先月チプラス政権が緊縮財政を求めるEUの盟主ドイツに攻撃的発言を始めたことに世界が唖然とした。ギリシャはどこまでポピュリズムに走るのだろうか?

 債務まみれのギリシャを支援し続けているEU、その中核にあって資金を出し続けているのがドイツだ。にもかかわらず緊縮財政を迫るEUとドイツを公然と非難し、国民の人気を得て選挙に勝ったチプラス政権は、早速「ギリシャ人の誇りを守るために緊縮財政を放棄する」と宣言した。さらに2月10日、第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるギリシャ占領で被った損害の賠償を請求する方針をドイツに伝えた。

 これを受けてドイツも態度を硬化させ、2月末のギリシャの銀行支援を延長しない可能性に言及した。ギリシャの銀行は信用不安が高まり、預金を引き出す動きが広がった。ギリシャも追い詰められた形で財政改革のメニューを今後提出することに同意せざるを得なくなり、2月20日に何とか目先4カ月の資金支援延長を取り付けた。

ギリシャ支援延長でかえって混迷が深まる

 ギリシャ支援延長は、問題の解決ではなく、先送りにすぎない。先送りによって問題をさらに複雑にしてしまった。

 「われわれの税金を使ってギリシャを支援し続けるのはやめろ」とドイツ国民はフラストレーションを積もらせている。一方、財政改革の約束をさせられたチプラス政権は「選挙公約違反、国民を裏切った」とギリシャ国内から攻撃され始めている。支援延長は4カ月にすぎない。4カ月後に再びギリシャ問題が火を噴くリスクを残したままだ。

 わがままを言い続けるギリシャにEUが弱腰を続けることで、EUに新たなリスクも生まれている。ギリシャ同様に過重債務を抱えながら緊縮財政を続けている、他のEU諸国にギリシャ同様のポピュリズムが広がりかねないことだ。「ギリシャだけゴネ得」と見られれば、緊縮財政に耐えているポルトガルやスペイン、イタリアからも「緊縮反対」「反EU・反ドイツ」の大合唱が起こりかねない。今のところ、欧州各国はギリシャに批判的でギリシャは孤立している。

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