マイナンバ―がやってくる

待ったなしのマイナンバー対応--(前編)付与まで残り6カ月 - (page 3)

大川淳 山田竜司 (編集部) 2015年03月26日 07時30分

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番号制度の漏えいが許されない理由

 個人番号の重要性が特に高いのには、大きな理由がある。個人番号は、住民票を保有する人々全員を対象に、住民票コードを変換して得られる番号であり、一人に一番号を割り当て、重複のないようにしている。社会保障や税、災害対策の分野で、個人情報を複数の機関の間で結びつける同一人のものであるとの確認をするとの任務をもっているため、個人番号が悪用されたり、漏えいしたような場合、個人情報が不正に取り扱われ、個人の権利利益を侵害される危険性がある。

 そこで同法は、特定個人情報について、「特定個人情報の利用制限」「特定個人情報の安全管理措置など」「特定個人情報の提供制限等」の3つの保護措置を設けている。これは、個人情報保護法よりも厳格なものだ。

 例えば、「個人番号利用事務、個人番号関係事務に従事する者または従事していた者が、正当な理由なく、特定個人情報ファイルを提供」した場合、「4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科(両方の刑が科される)」(第67条)という。

 「特定個人情報の漏えいを未然に防止するために、企業などでは、ガイドラインに沿った、認証やアクセス権限管理、アクセスログの記録や管理、法定の保存年限を経過した特定個人情報の消去(廃棄)や記録の取得・管理などの安全管理措置が重要となる」(山口氏)

 つまり、マイナンバ―は、情報漏えい対策として、「組織的」「人的」「物理的」「技術的」な管理が必要である。また、従業員とその扶養家族のマイナンバ―を回収して、登録し、書類や帳票へ印字して行政に提出するためには、「規定、ルールの構築」「システム構築、回収」「マイナンバ―回収や登録に当たっての番号確認や(運転免許証などでの)身元確認」「マイナンバ―の保管、確認、廃棄」などに対応しなければならないのだ。

 強力な法制度の下、罰則も強化されるため、制度の導入に当たり、全ての企業は対応に注力する必要がある。「企業の対応として、情報システムの改修の作業にはある程度の時間を要するため、情報システム部門が先に危機感を持ち準備をリードする傾向がある。」(山口氏)。業務側も意識を新たにすべきということだろう。

まずしなければならないこと

 第一に考えなければならないのは「当該システムの在り方を決める基本方針の策定」という。選択肢は(1)既存システムを改修する、(2)マイナンバーを集中管理するシステムを構築する、(3)マイナンバーの取り扱いを委託するBPO(Business Process Outsourcing)サービスを選択する の3つである。そのあたりは各企業のコストに関する考え方や、既存システムの柔軟性により異なるだろう」と山口氏は指摘する。

 (3)のBPOのケースでは、マイナンバーを取り扱う業務のすべて、または一部を委託することは可能だ。さらに、委託を受けた側は、委託した企業などの許諾を受けた場合に限り、その業務の全部または一部を再委託することができる。

 だが、委託や再委託を選択した側は、個人情報の安全管理が図られるよう、委託/再委託先に対し、適正な監督をしなければならない。委託や再委託を受けた事業者などは、委託した側と同様にマイナンバーを適切に取り扱う義務が生じることも注目点とした。

 問題なのは(1)既存システムを改修する、(2)マイナンバーを集中管理するシステムを構築するケースだ。これらの場合、システム改修にはかなりの時間を要することが予想されるという。まず前述のガイドラインから必要な改修要件を、情報システム部門が読み解き、マイナンバ―を扱う人事部、経理部などと連携しながら、開発や改修の計画を進める必要があるとした。

 「個人番号関係事務は、番号法第9条第3項の条文を精査することで、源泉徴収票に係る事務、健康保険被保険者資格取得に係る事務などの具体的な事務を明確化できる」(山口氏)


個人番号関係事務は、番号法第9条第3項の条文を精査することで、源泉徴収票に係る事務、健康保険被保険者資格取得に係る事務などの具体的な事務を明確化できる。(日立コンサルティング提供)

「個人番号関係事務(番号法第9条第3項)」の整理イメージ。特に、上記の(4)その他の法令又は条例 に係る整理に手間がかかるという。 (下記は、租税特別措置法で対象とされている帳票の一部)

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