IDC Japanは3月16日、2014年第4四半期(10~12月)と2014年通年の国内サーバ市場動向を発表した。2014年第4四半期のサーバ出荷額は前年同期比15.7%増の1338億円で、出荷台数は前年同期比2.9%減の14万3000台だった。
2014年の国内サーバ市場規模は前年比1.7%増の4697億円。出荷台数は前年比0.4%増の57万台となった。
国内サーバ市場の推移(IDC提供)
2014年通年の国内サーバ市場は、x86サーバ(x86アーキテクチャのプロセッサを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバ。Itaniumプロセッサ搭載機種は「RISC&IA64サーバ」に分類するため含まない)やスーパーコンピューターが前年から出荷額を増やした。
x86サーバは、平均単価の上昇により出荷額が増加している。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、サーバ集約による1台当たりのメモリなどオプション類の増加が背景にあるとみられる。
スーパーコンピュータでは、独立行政法人海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」や大学の大型更新案件があり、出荷額が前年に比べ大幅に増加。一方、RISC&IA64サーバ(UNIXサーバ)、ビジネスサーバ(オフコンなどメインフレーム以外のプロプライエタリ系サーバ)、メインフレームのいずれもマイナス成長となった。
また、出荷台数ではODM(Original Design Manufacturer)からクラウドサービスプロバイダーなどのユーザー企業が直接サーバを調達する「ODM Direct」が大幅にプラスの成長となった。ODM Directの出荷台数は前年比で63.2%増加し、サーバ市場全体の7.9%を占め、上位ベンダーに相当する規模になっている。
出荷額でのベンダー別順位は以下のグラフの通り。首位となったNECは、前年に比べ、スーパーコンピューターの新機種である「SX-ACE」の大型案件が寄与したほか、x86サーバは2桁のプラス成長で、出荷台数でも首位となった。
2014年 国内サーバ市場ベンダーシェア【出荷額】(IDC提供)
IDC Japan サーバマーケットアナリストの加藤慎也氏は以下のようにコメントしている。
「2014年の国内サーバ市場における出荷額は、前年比で大幅増だったスーパーコンピューターの出荷額を除くと、マイナス成長になる。出荷台数も、ODM Directを除いた台数では前年比でマイナス成長になる。すなわち従来、サーバベンダーがリーチしている企業向け市場は引き続き縮小している。サーバベンダーは、ODMやODM Directを採用するグローバルなクラウドサービスプロバイダーと、協業を進めていくか、対抗し得る勢力になって競合していくか、判断を迫られることになるだろう」