総合スポーツメーカーのミズノは、従来メインフレームで稼動していたシステムをオープン系システムに移行するとともに、本社と国内外のグループ企業において個別に運用してきた業務システムとデータウェアハウス用途のデータベース(DB)サーバを統合した。製品を提供した日本オラクルが3月16日、発表した。
ミズノでは、グローバルビジネスの拡大と国内事業基盤の再強化を目指し、経営のスピード化、ビジネス可視化に貢献するIT基盤の構築を目指していた。今回の新基幹システム構築はその一環で、グループ全体のITコストを削減しシステム運用の効率化を図るのが目的。
また従来のシステムでは、分析用のデータを作成する夜間バッチ処理に時間がかかり、タイムリーな分析ができないという課題もあったとのこと。
国内外のグループ会社を含む共通の新基幹業務システムとしては、米国子会社で10年以上にわたり利用してきた実績や保守運用の容易性に加え、新しい経営管理指標をパッケージの標準機能で実現できる点を評価し、Oracleの統合基幹業務システム(ERP)「JD Edwards EnterpriseOne」を採用。
一方、新基幹システムが稼働するグループ共通の統合DB基盤として、垂直統合型システム「Oracle Exadata Database Machine」が採用されている。ミズノでは取り扱う品目が何十万という膨大な量に上るため、リアルタイムの在庫管理と短時間での大量の受注出荷処理を実現できるメインフレームと同じくらい強力なIT基盤が必要とされる。
Oracle Exadataの採用は、JD Edwards EnterpriseOneとの親和性と、高い処理性能、高可用性、将来的な統合IT基盤としての拡張性を評価してのことだという。
新たなシステムでは、従来のメインフレームシステムと同等のトランザクション処理を保った。また、旧システムでは時間のかかっていた各種のバッチ処理時間を短縮することに成功したとのこと。また、マスタデータをOracle Exadata上に一元化したことと、データウェアハウスの統合により、従来は得られなかった詳細レベルの情報を瞬時に取得することが可能になったという。
ミズノによれば、ERPとDBをオラクル製品に統一したことで、サポートの効率化も実現したほか、ITガバナンスの標準化により監査の効率化も実現し、グループ全体のITコスト削減に寄与しているとのこと。