Microsoftは米国時間3月16日、アトランタで開催したイベント「Convergence 2015」で、モノのインターネット(IoT)環境における決済、監視、解析を可能にするクラウドサービス「Azure IoT Suite」を発表し、「Azure」と「Windows 10」の組み合わせによるIoT戦略を打ち出した。Azure IoT Suiteは2015年中にプレビューが開始される予定。
Azure IoT Suiteは、予測メンテナンスや資産管理などの幅広い用途に対応するツールを提供する。Microsoftは2014年の4月に、マシンデータの取得と管理に特化したAzureサービス「Azure Intelligent Systems Service」のプレビューを提供した。現在は、Azure IoT Suiteの一部となるアナリティクス製品「Azure Stream Analytics」がプレビューの段階にあり、4月に一般公開される予定だ。
Microsoftは企業のIoT導入を、Azureを主軸に展開させたいと考えている。イベントでは、Azureが提供する各種IoT管理ツールの導入事例として、産業用オートメーション製品の企業であるRockwell Automationのケースが紹介された。
Microsoftが紹介したRockwell Automationの事例
提供:Microsoft
また、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSatya Nadella氏は、Windows 10をIoTプラットフォームとしても展開すると述べたうえで、IoT環境に対応したバージョンのWindows 10を提供する計画を発表した。この計画が実現されれば、単一プラットフォーム上のWindows 10が、IoTゲートウェイ、産業用ロボット、各種センサなど、IoTを構成するあらゆる要素にアクセスできるようになる。
Microsoftの最終的な狙いは、AzureとWindows 10を最大限に活用し、企業とIoTを結合させる「接着剤」としての地位を確立することにあると思われる。もしもこの狙いが成功すれば、同社は爆発的な成長が見込まれているIoT市場の勢いに飛び乗ることで、デスクトップコンピュータへの依存体質から脱却すると同時に、成果の出ていないモバイル戦略によるマイナスイメージを払拭できるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。