ユーザーがどこまでZohoを育てていけるかがカギ
現在Zohoは、米国、英国、豪州などの英語圏の国々で数多くのユーザーを獲得しており、日本などアジア圏ではこれからといった状況だという。これについてVembu氏は次のように話す。
「日本では星野リゾートなどの成長企業で利用されています。今後さらにユーザー数を増やしていきたい。ただ、営業コストをかけて売り込み攻勢をかけるということはしない。無料プランで使えるサービスを増やし、使えるユーザー数も増加させて、まずは試していただく機会を提供してきたい。ユーザーとの摩擦はできるだけ減らし、ファンになっていただくことが大切だと考えています」
無料で使えるユーザー数を、同社では3ユーザーから10ユーザーにまで増やし、より多くの人に自社のサービスを体験してもらうようにしている。操作性の高い豊富なサービスを使える、という体験も重要だが、Zohoとしては、サービスをシームレスに連携させて利用できるという体験を実感してほしいとのことだ。その体験を通してユーザーがさらに増加していくことで、同社の垂直統合モデルもより深くまで進み、驚くようなサービスが展開されていくのだろう。そうした意味で、ユーザーがどれだけ同社を育てていけるかが今後のカギとなるかもしれない。