映画「イミテーション・ゲーム--エニグマと天才数学者の秘密」では、コンピューティングの父であり、第2次世界大戦の暗号解読者でもあるアラン・チューリングにまつわるストーリーを扱っている。
3月13日に公開されたこの映画は、ナチス・ドイツの暗号通信を解読しようとする連合国に協力する英国の数学者に焦点を当てたものだ。
この映画は、多くの好評価を得ている。特にBenedict Cumberbatch氏の演じるチューリングが絶賛されているが、事実に則していないところが見受けられるという批判もある。
同作の公開を機に英国のブレッチリー・パークで小道具の展示会が行われている。この地にはチューリングが戦争中に勤務していた政府暗号学校(GC&CS)が置かれていた。

Bombe
この映画で使用されたBombeの模型。
第2次世界大戦の最中、ブレッチリー・パークではドイツの陸軍や空軍、海軍が送信した暗号文を解読するために、およそ200台のBombeが使用された。
終戦を迎える頃にはこれらのBombeは、通信文の暗号化に用いられた設定内容を20分以内に導き出せるようになっていた。
Enigmaの運用において、通信文を暗号化する際の初期設定は毎日変更され、その組み合わせは1垓5800京通り以上(訳注:正確にはP(5, 3)・26^3・26!/(2^10・6!・10!)=158,962,555,217,826,360,000通りであり、劇中では1垓5900京通りと語られている)におよぶ。しかし、同暗号機による暗号文作成時のその日の初期設定を見つけ出すうえで手がかりとなる「クリブ」(暗号文中で確実にその内容が分かっている部分)を見つけ出した人間の暗号解読者のおかげでその探索空間は狭められ、Bombeによって確認する必要のある組み合わせは、およそ100万通りにまで引き下げられた。
提供:shaunarmstrong/mubsta.com