茨城県の古河市立三和北中学校は3月19日、幼児向けのプログラミング環境「ScratchJr」を使った2年生の英語授業を公開した。
ScratchJrは、5歳~7歳の幼児向けに作られたiPad専用のプログラミング環境。タッチ操作でブロック状に表示されたプログラミング部品を組み合わせて、動く絵本やゲームを作成することができる。

1人1台のiPadでScratchJrプログラミング
同日の公開授業では、英文で自分の夢をスピーチする課題において、生徒が1人1台のiPadを使ってアニメーションをScratchJrで作成。アニメーションを取り入れた英文スピーチを行った。
また、これまでの授業では、教科書にある英文をアニメーションにして視覚化する活動や、英文スピーチ原稿を書くにあたって自分伝えたいことをアニメーションにしてまとめることに、ScratchJrを利用した。英語学習に集中するために、操作の習得が簡単な幼児向けプログラミング環境を採用したとする。

「ScratchJr」で作成したアニメーションを使って“自分の夢”について英文スピーチ
今回の授業の実施にあたっては、ベネッセコーポレーションが協力しており、生徒が作成したアニメーション作品はベネッセの拠点がある米サンノゼのThe Tech Museum of Innovationでも公開されるという。また、ScratchJrを扱った『5才からはじめるすくすくプログラミング』の著者であるチェリービット 代表取締役の橋爪香織氏もScratchJrの操作指導で協力した。
同校は、中学の英語の授業にScratchJrを導入したことで3つの効果があったとする。1つ目は、教科書の英文を視覚化する活動を通じて、まとまった長文を登場人物や場面をイメージしながら読む練習ができたこと。2つ目は、自分の考えを英文に書き出せないでいる生徒が、先にScratchJrで内容を3場面構成にまとめることで、考えが精選されて英文作成につながった点。3つ目は、自分で作成したアニメーションのスピードとスピーチの速さが一致しているかを確認する過程で、必然的に英文の音読練習に取り組むようになったことだ。
古河市では、2015年9月から市内の小学校23校にSIMモデルのタブレットを導入することが決まっている。今回の授業は、小学校へのタブレット導入に先駆けた取り組みという位置付けだ。

古河市立三和北中学校で開催された「ScratchJr」を使った英語の公開授業の様子