ファブリケーション×オープンデータ
オープンデータの活用事例として興味深いと感じたのが以下の模型への活用です。
下の写真は、横浜市のある地区を3D化し、発泡スチロールの板に「ShopBot」というデジタル切削 機で加工した模型です。その模型に上からプロジェクタで可視化したデータを映し出しています。映しているデータは地域の標高のデータと高齢化率のデータで、以下のマッピングデモは高台ほど高齢者が多く住んでいるという状況を表しています。
このように実際に手で触ると高低がわかりやすい模型にプロジェクションマッピングを行うことで、地域の課題をより具体的に感じられるものとなります。
デモの間、閲覧者の中からは「横浜の海に近いエリアの模型で、津波が発生した際にどのように海水が到達するかシミュレーションを見たい」という意見も出され、地域の安全を考える見せ方の事例として発展していくのではないかと思いました。
これまでオープンデータの見せ方としてはインフォグラフィックやJavascriptを使ったインタラクティブコンテンツなどが注目されていましたが、全てスクリーン上の話でした。
模型は古くからある情報の見せ方ですが、デジタル切削機やレーザーカッター、3Dプリンタなどの専門的な機械が従来よりも手に入りやすくなったことにより、表現自体が2次元だけではなく3次元にも広がってきています。
この模型の事例は表現の進化とデジタルデータを掛け合わせることで、可視化する情報に深さを加えることが可能になった事例だと思います。
このプロジェクトは、慶應義塾大学SFC研究所と、岡村製作所、山手総合計画研究所で、神奈川県の研究機関や建築会社のコラボレーションとなっています。